開発環境の準備
g++(GNUコンパイラコレクションのC++コンパイラ一式)は既にインストール済みであることを前提としています。
aptitude install automake libtool
nginx を動かして小さなウェブサイトをホスティングしているくらいのうちの Debian wheezy では、上記の二つだけ入れれば良いみたいでした。
Open CASCADE の準備
まず、作業ディレクトリを/tmp
以下に作って移動します。
cd /tmp
mkdir occ
cd occ
作業ディレクトリは権限があればどこでも構いません。以後、このページでは/tmp/occ
を作業ディレクトリのルートにします。適宜読み替えてください。
OCCT の開発版は、開発サイトに登録して、印刷した契約書にサインして、スキャンした PDF を返送しなければ手に入りません。開発版は git で clone すれば良いですが、大抵の場合は正式版で十分ですので、公式サイトから入手することになります。OCCT の公式サイトでは Windows 環境ではビルド済みのバイナリとソースコード、Linux 環境でも大手ディストリならばディストリごとの apt や yum リポジトリにパッケージが準備されていますが、後者は最新版パッケージがなかったり、最近では Debian の公式リポジトリから無くなってしまったりとアレですので、ソースコードからビルドします。ちょっと手間がかかりますが、一度慣れてしまうと、必要な機能だけ切り分けてビルドすることができるようになりますので、エンドユーザ向けアプリケーションや WWW サーバ上で動かす場合など、用途に応じた最適化ができます。また、その気になれば Android といった携帯端末向けにビルドすることもできます。
wget -O occ671.tar.gz http://...
tar xvf occ671.tar.gz
解凍すると/tmp/occ/opencascade-6.7.1
というディレクトリが生成されます。
ビルド方法については以下のディレクトリにドキュメントがあります。
/tmp/occ/opencascade-6.7.1/dox/dev_guides/building
ここ数バージョンでOCCTのリファレンスは doxygen に統一されました。ここにあるドキュメンテーションは markdown です。
最小構成ビルド
最低限の機能のみしか使わない場合は、次のコマンドだけでいけます。ビルド自体は automake 以外にも CMake、MSVC、XCode 環境でもできます。 また、100%かどうかは確認していませんが Clang/LLVM としてもビルドできるようです。
./build_configure
./configure
make
OCCT には1万を超えるクラス群が存在しており、フルビルドは数十分、場合によっては数時間は平気でかかります。 就寝前や外出前に make していくことをオススメします。
なお、これから OCCT を触ってみたい人には、この最小構成ビルドはオススメしません。