スーパーカブのオイル漏れ(5)

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スーパーカブ(AA01)のクランクケースに穴が空いていて、オイル漏れしている件です。シリーズもとうとう5回目になってしました。あんまり腑に落ちないけれど、今回で多分最終回になると思います。

クランクケースに空いた穴については、過去の記事で書いていたとおり、カバーのボルトの締め間違いでクランクケース内部まで貫通する穴が空いてしまっていたようです。

クランクケースカバーは3つのボルトで固定されていますが、長いボルト・長いボルト・短いボルトの3種類のうち、短いボルトを入れなければいれない穴に長いボルトを突っ込み、アルミのクランクケースが貫通してしまうほどのトルクで締めつけたのが原因と思われます。

この穴をなんとか埋めようと四苦八苦していましたが、最近カヤックの艤装に挑戦していて「水密×ボルト固定」の組み合わせを知りました。ウェルナットやオイルシール(パッキン)などもよく触れています。

冷たい海水と温かいオイルでは勝手が違うでしょうが、とにもかくにも水密を確保しなければ漏れっぱなしです。駐輪場所にオイル溜まりが出来ている始末です。

前回までは金属パテや何やらで穴を埋めることばかり考えていました。よくよく考えてみるとオイルシールはオイルが漏れないようにするためにバイクでも使われています。そうか、こっちが正攻法か…。気付くのが遅すぎました。

今回の件以外でも使えるストックとして欲しかったので、色々入っているオイルシールを購入しました。

YFFSFDC シールOリング セット ニトリルゴム ワッシャー オーリング18種類 約279個 耐油 耐摩耗 耐熱防水 完全密封 ワッシャー シールガスケット 機械修理 水道 工業用 内径3-22mm

一応耐油耐熱の商品らしいんですが、純正のオイルシールがある箇所は純正を使った方が良さそうです。

クランクケース内部まで貫通している穴は、色々なパテで固めてしまった後です。それでもクランクケースからはポタポタとエンジンオイルが漏れている状態。こんなに固めてしまう前に、まずはオイルシールを試すべきでした。

固めてしまった穴は使えないので、クランクケースカバーは2点止めしている状態ですね。オイルシールをクランクケースとカバーに挟むようにボルトに取り付け、オイル漏れが停止するようであれば万々歳。それでも滲み出てくるようであれば、カバーの内側をグラインダーで削ってケースに直接オイルシール付きのボルトで栓をするつもりです。

ガチガチに固まっていてオイルまみれになっている穴を眺めがなら、「これどうやって摘出しようか…」と患部をいじくりまわしていたところ…

その隣にあるボルトの頭に手が当たり、ヌルっと空転した感触がありました。この付近のオイルを布で拭き取っていると、明らかにこのボルトが空転してます。よく見ると、ずっと格闘していた穴(クランクケースカバーの取付ボルト穴)よりもこちらがオイルで濡れ濡れです。

このボルトの頭をつまんでみると、

何の抵抗もなく、スコッと写真のところまで抜けました。

…って、全然噛んでない!!!!

ボルトの長さからして、これってクランクケースの左右を繋ぎ止めているボルトですよね!?

左ケースの出口付近でカコッと止まったので、そこからは手で回して取り出しました。

君…こんなに簡単に取れちゃダメな子だろ…?

見てのとおり、途中はネジ溝が切られていないので差し込んだ奥でしっかりと噛まないといけないタイプのボルトのはずなんですが…何度入れても出しても奥で噛みません。スコッと抜けます。

いつもこの周辺は漏れたエンジンオイルまみれだったので、埋めた方の穴ばかりに気を取られていました。埋めた方はパーツクリーナーを差し込んで吹くと、クランクケースのドレン口からクリーナー液がバチャバチャ出てくるのは確認済み。貫通しています。

そして、ひょっとしてお前もなのか?

パーツクリーナーをボルト穴の奥まで差し込んで、噴射してみました。すると、案の定クリーナー液がドレン口から出てきました。(作業するにあたって、あらかじめエンジンオイルは抜いています)

貫通確定です。\(^o^)/

うーん、途中から何と闘ってたんだ…。

幸か不幸か、クランクケース本体の左右の継ぎ目はガスケットが頑張ってくれているのかしっかりと密着しており、オイルが滲み出ることもありません。ずっとこの状態で乗っていたという事を考えると怖いですが、逆に言うと今さらすぐに不具合が出るという感じでもないため、まずはこの穴からの漏れも止めてやろうと思いました。

先ほどのオイルシールから良さそうなサイズを選び、適当なステンのM6ボルトに取り付けました。元のボルトのネジ溝はちゃんと噛む位置に取り付けができないので、応急処置として短いボルトを使っています。

オイルシールが潰れる程度に締めつけて、穴を塞ぎました。そして、クランクケースカバーを元のように戻します。

新しく発見した穴に取り付けたボルト頭は、幸いにもクランクケースカバーとも干渉しませんでした。ちゃんと固定できているようです。エンジンオイルを入れ直して、オイル漏れのテストをしました。

テストと言っても、エンジンを回してオイルを温めて、クランクケース内にまんべんなく循環させて放置してみるだけなんですけどね。ボルトが噛んでない事を発見したのは今回初めてだったんですが、僕が中古バイク屋から入手して5年半。それ以上の期間をずっとこの状態で走っていたので、今すぐクランクケースが割れることはないと思いますが…心情的にはやっぱり不安。もうコレ死んでますね…中身はスゴいことになってそうです。オーバーホールして交換しかなさそう。つらい。(´;ω;`)

翌日、漏れの状態を確認してみました。

少しオイルが落ちてます…。

しっかりと覗き込んでみると、ドレンボルトのガードから雫が落ちているようです。実は昨日の作業でドレンボルトにもオイルシールを追加してみたんですが、かえって隙間が出来て漏れてしまった模様。こちらは追加しなくても問題なかったので除去するか、平型のちゃんとしたシールの方が良さそうです。

で、問題の補修した方です。

長いこと、サイドスタンドを濡らすように垂れていたオイルがありません。どうやら成功のようです。

さっさとオーバーホールをすればこれほど長い時間がかからなかったと思いますが、オイル漏れについてはこれで一段落しました。

しかし、とびきりのパンドラの箱を開けてしまいました。

クランクケースを止めていたボルト穴が1箇所死んでます。

きみだよ、きみ。

なんで車外に出てるんだよ!

「クランクケースカバーのボルトの穴が貫通している」という時点で、交換用のトランスミッションを探していました。溶接はしたことがないし、安くなったとは言え家庭用の溶接機も持っていません。さらに、クランクケースはアルミ。アルミは融点が低いらしく、溶接ができる方にとっても難しいらしいです。クランクケースをバラして複雑で細かな形状をしている患部を正確に直せる自身がありません。

今回の発見で、さらにクランクケースをまるごと交換しなければならない流れになってきました。

できればリトルのセル付き4速がいいんだけど、ちゃんとしたものであれば4〜5万くらいは予算を見ておかないといけませんよね…あと知識もスキルも時間も必要です。

いっその事、腰上を含めて中華エンジンはどうかとも思ってるんですが素人が手を出すにはなー。飽きっぽいので収拾がつかなくなるリスクを考えると、やっぱり純正中古かな。

悩みが尽きません。

(´・ω・`)

佐世保のシステムエンジニアです。詳しいプロフィールやこのブログについてはこちらをご覧ください。

2件のフィードバック

  1. はじめまして
    自分も先日スーパーカブ50の1987年式を買ってオイル漏れに悩まされてまして。
    どこからかと思えば、ジェネレーターカバーのボルトからでしたorz
    主さんのように金属パテで埋めようと思います。。。
    とても参考になる記事ありがとうございます。よろしければ今後もオイル漏れの経過の記事上げてくださると嬉しいです。

    • 返信が遅くなってすみません。
      記事のボルト+オイルシールの効果はてきめんでした。1年ほど経ちますが、まったく漏れていません。パテ埋めとなると、腰下をバラさないとキツそうな印象です…。
      もし良ければ、どう対処されたか教えてください。

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