僕が乗っているスーパーカブは2年近く前からオイル漏れを起こしています。最初は一晩に数滴のオイルがポタポタ落ちている程度でしたが、ここのところ漏れる量が多くなってきたので、重い腰を上げて修理しようと思いました。
現状確認
現状のスーパーカブです。
4月からリモートワークが終了して、カブで出勤する機会が増えました。職場の駐輪場に停めておくと、帰りにはエンジンの下に結構な大きさのオイル貯まりが出来てしまいます。
上はエンジンを切って停めてから2、3時間後の写真です。地面に流れた跡ができるほどオイルが漏れています。これでは停める場所ごとに汚してしまうし、注ぎ足すオイルも馬鹿になりません。
作業開始
漏れている場所はドライブ(フロント)スプロケット付近です。前々から新品のオイルシールを準備しているので、それで補修したいと思います。まずは、L. クランクケースカバーを取り外します。
カバーを固定している下後方のボルトを緩めると、オイルが滲んできました。スプロケから漏れたオイルが貯まっているのが出てきたのかな。そう思って、ボルトを引き抜くと…
「ポタポタ」どころか線となって、オイルが流れ出てきました。なにこれ勢いが全然弱まらない。
めちゃくちゃ流れ出てきてます。ポタポタしたたるってレベルじゃないぞ。
慌ててオイル受け皿を差し込みますがセンタースタンドが邪魔です。オイルが止まるまで手で支えていました。手がずっと塞がったままだったので写真も撮れませんでした。
オイル漏れをし始めてから、何度かケースカバーを取り外していますが、これだけ溢れてきたのは初めてです。いよいよ末期か。
5分くらい垂れていたでしょうか。結局、コップ1杯分くらい(200〜300ccくらい?)のオイルが出た後に、ようやく止まってくれました。カブのオイル量は満タン800cc、交換時は600ccなのを考えるとめっちゃ出るやんけ状態です。どんだけ隙間が空いてるんだろ。
ケースカバーの取り外し
気をとり直して、カバーに干渉していたシフトペダルを外して、カバーを取ってみました。
スプロケットを外すために、後輪のシャフト部分を緩めます。これがちょっと面倒くさいんですよね。
23mm という中途半端なサイズなので、専用のソケットとトルクレンチの出番です。我が家にあるツールはラチェットレンチセットが21mmまで、メガネレンチセットが22mmと24mmペアなので、23mmになるとコイツを準備する必要があります。
シャフトの共締めボルトを緩め、シャフト位置を固定する後方の左右のナットを緩めます。23mmナットを緩めて、ドライブチェーンを緩ませます。
Fスプロケの取り外し
ギアを1速に入れて後輪・ドライブチェーンが動かないようにして、スプロケットを固定している2本のボルトを緩めて外しました。後輪の固定はスプロケを外した後に緩めた方が良かったかな。
改めて観察すると、クランクケースカバーを固定していたボルト穴にオイルが貯まっています。
一方で、オイル漏れ箇所と睨んでいたドライブシャフトのオイルシールは、劣化しているもののオイルが垂れている形跡がありませんでした。カサカサしてますね…。
うーん、このシールを交換して完了と思っていただけに結構ショックです。
そういえば前回オイル漏れについてチェックした時、ドライブシャフト周辺はオイルが付着していないことを見つけていたような気がします。(すっかり忘れてた)
その時はドライブスプロケを取り外さなかったんですが、これで確実になりました。
下から覗き込んだところです。やっぱりカバーのボルト穴から漏れています。この奥からオイルが出ているとすると、漏れの箇所はクランクケースの接合部、ガスケット付近かなあ。
接合部から漏れているとすると、腰下まで全バラシコースになります。これはツラい。
そう言えばクランクケースを止めている部分の別のボルトが完全に脱落していた事もあり、なんだか腰下に不安が残るカブなんでした。ボアアップしても腰下はノーマルのままだったし、3速で坂が多いのでエンブレも結構多用します。普段の走行中の振動も大きく、いろんなところからカチャカチャ音がしたり、テールランプのバルブが落ちてお巡りさんにも停められた事もあるし、トランスミッション全体に負荷がかかりまくってる感は否めません。
もし腰下バラシになるとすると、(技術がないくせに)4速中華エンジンなんかに手を出して、ポン付けできずにさらなる泥沼に足を突っ込む未来まで見えるぞ…!!/(^q^)\
ケースカバーのボルト
ふとクランクケースカバーを止めていたボルトを確認すると1本だけ短いものがありました。
カバーの矢印部分の3箇所を止めているボルトです。オイルが垂れてきている穴は一番短いボルトが刺さっていました。
測ってみると、他の2本はM6×35mmで頭は8mm六角半ネジ・15mmがネジ山がない部分。短いのは28mmで、うち8mmがネジ山がない部分でした。
ボルトが短い所為でケースを上手く掴むことができずに隙間が出来ていたのかなー?
そう思って、長いボルトを漏れ穴に入れてカバーを取り付け、短いボルトを他の2箇所の穴に合わせてみますが噛んでくれません。ネジ穴まで届いてないご様子。各々のボルトがそれぞれ噛むように配置すると、どうしてもオイル漏れ穴が短いボルトになるようです。
ただ、このカブはショップ購入時から中古で、特にネジ類は最初から純正でないものを多用しています。これもそのパターンかな。
サービスマニュアルの出番だ
サービスマニュアルを確認してみると、3つのボルトのうち1本が短いようにも見えます。でも、その短いボルトの取付穴は下前方なんですよね。うちのカブの場合、そこじゃあ噛まないんだよ。唯一噛むのが下後方のオイル漏れ穴なんだようー。
他にも記述がないかページをめくってみました。トルク設定がしっかりしていないといけないボルトは締め付けトルク一覧として掲載があるんだけど、ケースカバーの止めボルトレベルだと掲載がありません。パーツカタログも持ってないので、結局正しい長さの組み合わせは分からず終いでした。
2本の長いボルトを下前方と下後方に使い、ケース上の固定はしない状態にしました。(ケース取り外し時にシフトペダルが干渉するので、万一走行中にボルトが脱落してもケースは落ちないです)
これで様子を見てみて、オイル漏れが止まるようであればボルト寸法をもっと良く調べて、違っていたら新しく調達してみたいと思います。
長いボルトだけで漏れが止まってくれたら御の字だけどな〜。腹を据えて腰下バラしに挑戦しないといけなくなるかも。
翌日追記
ボルト取り付け後、オイルを注ぎ足してに20分ほど走ってエンジンをあたためて停車しました。翌日の夕方確認してみると…
…何十滴かしたたった痕跡が。
ボルトを替える前よりも漏れている量は若干減った気もしますが、やっぱり根本的解決にはならなかったようです。
うーん、やっぱり腰下やらないと行けないかな…。基本的に乗るのが好きなので、いじるのは嫌いです。せっかくいじるのだから、何らかの性能アップが欲しいところ。そうじゃないとモチベーションが保てない。
ネットでクランクケース用のガスケットを見て、流れでミニモトの125ccエンジン(中古エンジン)の新品を調べ、さらに流れでネットオークションを覗いてみると、リトルカブのボアアップ&4速セル付きエンジンの中古が売ってありました。
4速にしたいし、セル付きにしたい。同じ AA01 ならエンジンマウントが合うかな?
欲が出ちゃうなあー。
(2021-05-10 追記) 上記オークション出品は最終的に7万円超えで他の方が落札していました。7万か…。個人売買で中古のノーマルカブが丸ごと買えそうなお値段。やはりセル付き4速ボアアップは誰が見ても魅力的なんですね。
前オーナーがボルトの長さを間違えて締めてクランクケース内まで突き破ったんじゃないでしょうか
クランクケース開けるならJBウエルドとかで穴埋めしてみるとネタになって面白そうですが
http://gentukiban.nobody.jp/koneta-baka.jpg
http://gentukiban.nobody.jp/koneta.html
>>ira さん
コメントありがとうございます。まさに知りたかった情報でした。
新しい記事にも書きましたが、どうやら突き破っているようです…。
そこそこの強度、耐熱性(300度)と水密性がありそうなのでJBウェルドは良さそうですね。チャレンジできたら書きたいと思います。
[…] 25mm らしいんですが、カブの腰下のような事が起きそうなので長めのボルト恐怖症です。20mm […]