NEC LaVie LightのUbuntuをアンインストール

最終更新日

Comments: 0

先日、実家に帰った際、妹がパソコンを欲しいと言ってきたので、それならばと以前メインで使っていたネットブックをお下がりすることにしました。

ネットブックは NEC LaVie Light BL330。タブレットPCが流行する前の、各社が競ってネットブックを出していた頃の機種です。当時の Microsoft の OS 提供ライセンスの関係に基づいてハードウェア仕様に制限をかけてあるらしいので、当時としてもあまり高いスペックではありません。(逆に言うと、その頃に登場した主力メーカーのネットブックはほぼ Windows XP を搭載していたので、どのメーカーのものでも軒並、似たようなスペックでしたが…)

低スペックとは言えど、ちゃんとチューニングをしてあげれば、メールやインターネットは難なく行えると思います。妹は我が家でも一番コンピュータ関連に疎いライトユーザなので、このくらいのスペックでも問題ないでしょう。

今年の5月に、マウスコンピューター製の 4 万円ほどのラップトップを購入して、3万5000円で購入した LaVie Light から移行したのですが、新しい環境は

  • 画面がちょっと広い
  • スペックがちょっと高い

以外は、ほとんど魅力を感じませんでした。LaVie Light の方が、筐体がしっかりしているし、コンパクトで持ち運びにも便利。マウスコンピューター製のラップトップは、筐体の底に手をあてがって普通に持つと、底のプラスチックが自重で歪むのか、中のファンが筐体に擦れる音がなります。どんだけ筐体薄いんだよ、と思いました。筐体が全ての箇所において安っぽいのはさておき、画面がめちゃくちゃ悪く(素人目で分かるほど発色が違い、他のディスプレイで判別できる色の差がこのラップトップで表示すると判別できない、薄い色は飛び、暗い色は潰れる…など。カラープロファイルとかソフトウェア的な調整をしてみたけれど変わらず。)、絵を描いたり、画像処理をする用途にはまったく向いていませんでした。ここは、かなり凹んだと同時に、なんだかんだ言いつつ、結局日本製が安心だなと思いました。

ともあれ、メイン環境は既にマウスコンピューターのラップトップに移行済みでしたので、LaVie Light は寝室の枕元で本と一緒に並んでいました。LaVie Light には Ubuntu を入れて使っていたので、プリインストールされていた WindowsXP に戻したいと思います。

ディスク構成

LaVie Light を購入した直後は、以下のようになっていたと思います。

基本領域1Cドライブ(NTFS) 論理領域1Dドライブ(NTFS) 基本領域2リカバリ領域(FAT32)
拡張領域

物理ディスクは内蔵のSATA一つだけ。MBRにはNTローダが鎮座しており、初期値で基本パーティション1のCドライブを起動するようにしてありました。基本パーティション2のリカバリ領域は、リカバリCD-ROMが付属していない為、ハードディスクにその領域を確保してあるようで、リカバリイメージのほか、リカバリ・ウィザード表示の為の簡易Windows(MiniNT、Windows PE みたいなものらしい)一式とシマンテックのGhostが入っていました。

Ubuntuをインストールした際、リカバリCD-ROMもないと言うことで、リカバリ領域だけは残して、次の構成でインストールしました。

基本領域1swap 基本領域2/boot (ext2) 基本領域3/ (ext3) 基本領域4リカバリ領域(FAT32)

余談ですが、最初はUSB CDドライブを接続してDebian GNU/Linuxをインストールしたのですが、カーネルモジュール(ドライバ)周りを整えるのに心が折れてしまったので、オールインワンなUbuntuにしてしまいました。MBRにはgrub2、ブートエントリには/bootに入ってるカーネルと、自動認識されて追加されたリカバリ領域の2種類がありました。

さあ、この状態からWindows XPに戻します。

修復ウィザードを実行

LaVie Lightの電源を入れ、grubが起動したらリカバリ領域から起動させます。すると、MiniNTが起動して、GUIな修復ウィザードが起動します。ウィザードに従ってハードディスクをフォーマット後、リカバリするようにしました。元通りにしたいので、以下のような構成ですね。(ドライブを細分化する必要もないので、Dドライブは基本パーティションに格上げしました)

基本領域1Cドライブ(NTFS) 基本領域2Dドライブ(NTFS) 基本領域3リカバリ領域(FAT32)

ハードディスクのフォーマットを終えると、一旦再起動するように促されます。手順に従い、再起動させました。

すると、BIOS画面を過ぎた後、ブートローダが起動すべき場所で

[bash]Grub Error (22)[/bash]

と出てOSを起動することができません。半ば予想はしていたのですが、それでも淡い期待をしつつ修復ウィザードに任せた自分がバカでした。

リカバリ領域の修復ウィザードは、MBRまで修復(fixmbr)してくれないみたいです。

grubよ、そりゃあ/boot/grub/grub.cfgが消えてるんだからエラー吐くよね。お前は悪くない。自分のようにカスタマイズして使わない場合でも、マイクロソフトの回復コンソール(とfixmbr/fixbootなど)が起動するCD-ROMはないのだから、MBRが壊れたらマズいんじゃないの…。リカバリ領域を起動できた→つまり、MBRは修復しなくても大丈夫なんだろ?という発想なのかもしれません。

Trisquel GNU/Linuxで起動

さて、どうしたものかと思ったものの、とにかく起動できないのでは手の施しようもないので、ちょうど手元にあったフリーソフトウェア財団のカード型USB KeyをLaVie Lightに差して起動しました。中にはTrisquel GNU/Linuxがプリインストールされています。手元にこういうツールがあったら本当に便利ですね。コイツには何度も助けられています。

USBブートしたTrisquel上で、

[bash]sudo grub-install /dev/sda[/bash]

しても、まあナンセンスだろうと思い、マニュアルで色々するよりは、Trisquelをハードディスクにインストールして、その際に他のパーティションにあるWindows領域のブートエントリまで拵えてくれるくれる方が確実だろう、と、インストールを実行することにしました。

基本領域1Cドライブ(NTFS) 基本領域2Cドライブ(NTFS) 論理領域1/ (ext3) 論理領域2swap 基本領域3リカバリ領域(FAT32)
拡張領域

基本パーティション2を縮めて、空いた領域に論理パーティションを作成、その中に / と swap を確保しました。インストール後、再起動すると見事にgrubが復活してくれました。

基本パーティション1のCドライブのブートエントリも入ってるかなーと、またも淡い期待をしていましたが、論理パーティション1のTrisquelと基本パーティション3のリカバリ領域のエントリしかありませんでした。

というのも、Trisquel側から基本パーティション1をマウントして分かったのですが、Cドライブの中には設定ファイルが一つ入っているだけで、ほぼ空の状態でした。修復ウィザードがMBRを修復することなくハードディスクをフォーマットして再起動した時点では、まだリカバリイメージの展開が行われていなかったことをここで知りました。

リカバリ処理の続きを再開

それならブートエントリが自動的に追加されていなくて然り、この続きの手順が分からないままでしたが、とりあえずgrubが復活してリカバリ領域を起動できるようになったので、起動してみました。すると、今度は修復ウィザードではなくシマンテックのGhostが起動し、ユーザの入力を待たずしてインジケータバーを動かし始めました。あ、ようやくリカバリイメージの展開を始めたな。10分ほど待つとCドライブへの書き込みが終わったようで、自動的に再起動しました。

ここで、MBRも書き換えてくれたかなあ、と半ば諦め気味に起動画面を見ていたのですが、やはりgrubのままでした。ブートエントリはもちろん変わらず。Cドライブのリカバリイメージだけだから、ブートレコードはリカバリイメージに含まれていても、マスターブートレコードまではリカバリの対象外なんでしょうね。

さて、確実にリカバリイメージの転送は終わっているので、Cドライブは起動可能な状態になっているはずです。残るはMBRを戻したいのですが、まずはCドライブから起動できないと話しにならないので、起動してみることにしました。

Grubの設定

Trisquelでインストールされるgrubは、初期設定でパスワードが設定されていました。grubのブートエントリ選択画面でeキーを押しても、起動コマンドの編集の前にユーザ名とパスワードを求められ、編集することができません。

一旦、Trisquelを起動して

[bash]sudo less /boot/grub/grub.cfg[/bash]

してみると、ユーザ名「grub」、パスワード「12953」と設定されていることが分かりました。再起動して、grub画面でこれらの情報を入力すると、コマンドの編集画面に辿りつきました。Windowsのブートコマンドの書き方は知らないので、リカバリ領域に入ったMiniNTのものを変更して用いることにしました。

[bash]insmod fat
set root='(hd0,3)’
search –no-floppy –fs-uuid –set d8fe-92a4
drivemap -s (hd0) ${root}
chainloader +1
[/bash]

1行目はFATじゃなくてNTFSに変更、(hd0,3)はマスターに接続されたディスクの3つめのパーションってことだろうから、(hd0,1)に変更。searchの行は、ディスクを探されるとかえって面倒なので削除して、次のようにしました。

[bash]insmod ntfs
set root='(hd0,1)’
drivemap -s (hd0) ${root}
chainloader +1
[/bash]

C-xを押して起動してみると、ようやくCドライブを起動することができました。WindowsXPの初期設定画面が出てきます。その後、Windowsの初期設定→NECのプリインストールされているソフトの本当にどうでもいい初期設定で4回ほど再起動しやがりました。その度にgrub起動時のパスワード入力からエントリの書き換えまでやりました。Cドライブの起動コマンドをブートエントリに登録しとけばよかったんですが、「1回再起動したらWindowsの初期設定も終わるし、すぐにfixmbrできるだろう」と思ったのが間違いでした。ハードは最高なのにソフトがダメっていう典型的な日本企業のアレですね。本当にどうでもいい初期設定を繰替えしました。

fixmbrはどこ?

WindowsXPに戻せたとは言え、MBRがgrubのままなのでNTローダに差し替える必要があります。回復コンソールが起動できるようなリカバリCD-ROMはないし、リカバリされたWindowsXPにも、もちろんfixmbr.exeは入っていません。Microsoftの公式配布も起動用フロッピーやCDイメージばかりで、あまりこのご時世に合ったサポートは得られそうにありませんでした。そもそもこんな基本的なツールも同梱してないとは…と閉口しつつも、太陽が昇り始めていたので本日の作業はここまでということにしました。

NTローダを諦めれば、Trisquelをもう一度立ち上げて、grubのブートエントリにCドライブのみにして、自動起動までの時間を短くしておけばいいかなあ、と思っています。

佐世保のシステムエンジニアです。詳しいプロフィールやこのブログについてはこちらをご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください