交通事故に遭いました。

8月12〜13日の2日間の滞在のはずが、台風の影響で12〜16日の4日間滞在となった種子島ツーリング。ようやく帰ることができる、本土行きのフェリーに乗る直前に、路地からノールックで飛び出てきた軽自動車にバイクごとはねられました。

16日昼

はねられた、というよりも後から話を聞くとどうも正面衝突だったようです。衝突の瞬間は一瞬のことで何が何だかわかりませんでしたが、大きな衝撃の直後、僕は宙を舞い、そのまま対向車線に叩き付けられたのを覚えています。ヘルメット越しに見る世界は、容赦なく僕の体に衝撃を与えます。普段生活していて味わったことのない衝撃ですので、ふと「Youtube で観た事故映像と同じだ」なんてことを考えてしまいました。走馬灯を見る経験じゃなくて良かったです。

後日、保険会社に説明するために作成した資料の一部。赤線の加害者の車は、どうも画面右上を注視しながら画面左下(僕が走ってきた方向)にノンストップで進んできたらしい。

落ちたのが道路上だと気付き、すぐに立ち上がろうとしましたが全身に激痛が走り、よろめいて倒れ込んでしまいます。ただただ全身がめちゃくちゃ痛い。

衝突の音を聞いて駆けつけてくれたのか、そんな僕の元にすぐに来て、立ち上がる手助けをしてくれた男性がいました。肩を借りつつなんとか歩くと、周囲には大勢の人が集まって「事故だ」「警察」「救急車」と叫んでいました。周りにいるたくさんの人を見て、「ああ、死なずに済んだのか」と思いました。

僕はそのまま近くの店舗内の椅子まで連れていってもらい、腰かけました。まわりの皆さん「大丈夫か?」と心配そうに声をかけられます。痛さを堪えながら、首を縦に振りました。衝突の瞬間、全身の筋肉がこわばったのか全身が痛く、特に左半身が痛い。

座っていると数分も経たないうちに救急車がやってきて、救急隊員の方に2、3質問を受け、僕は担架に固定されました。担架で救急車に運ばれる際、事故現場にあったのは無惨に横たわる VRX の姿…。どうしようも出来ないまま、僕は救急車に担ぎ込まれました。

緊急入院

緊急搬送された種子島医療センターでは、外傷の擦り傷と打撲の応急処置をしてもらい、MRI などの精密検査を受けました。脳や骨、内蔵は特に問題がないとのことでした。診断は「高エネルギー性外傷」とのこと。

ひとつ気がかりだったのが、椎間板ヘルニアの手術を去年受けたばかりで、まだ完治していなかったという点。事故の衝撃で一気に神経痛が復活しました。左足や手や腰は擦り傷に打撲。右足と腰は神経痛という最悪のコンディション。もちろん、命があるだけマシなのですが…精神的にもかなり堪えました。

僕が所持しているのは、スマホと財布、バッテリーが吹き飛んでいったボロボロの一眼レフだけ。貴重品は、救急車に乗せられる時に周りの誰かが拾い上げて持ってきてもらえました。本当に感謝の言葉しか出てこないです。

汗だくになっているのに着替えすらない状況は、改めて知らない土地での事故の怖さを知りました。誰も頼りにできない。自分しかいない。

16日夕方

応急処置とすべての検査が終わった頃には、もう夕方になっていて、それから家族や保険会社、警察に電話連絡を開始しました。病床で横になったままのやりとりはなかなか辛い…。何十回もいろんなところに電話をかけたり、電話を受けたり。さらに入院手続きなども済ませて、ひと落ち着きする頃には陽も暮れかけていました。

首にかけていた一眼レフはバッテリーが飛んでいってなくなってしまったので使えません。試しにスマホの背面カメラで天井を撮影してみると、事故の衝撃で焦点が合わなくなってました。スマホケースもバッキバキです。

本来であれば、自宅で食べる予定だった夕食が運ばれてきました。

仕方がないので、スマホの前面カメラで撮影しています。まさか、自宅からなかなかの遠方…しかも離島でこんなことになるとは…。夕飯を食べていても味がよく分かりませんでした。

16日夜

事故現場にそのまま残してきた VRX のこと、奥さんとのやりとりのこと、ケガのこと、病院とのやりとりのこと、警察とのやりとりのこと、保険会社とのやりとりのこと、加害者の方とのやりとりのこと、帰る方法のこと、仕事の休暇のこと…、色々と考えていると本当に滅入ってしまいます。

夕食後、警察の担当が病室まで来ていただいて、少しお話しをしました。先方の不注意による事故ということで、僕に過失はないとのことでした。その事を聞けたのは少し安心できました。「物損事故にするか、人身事故にするか」と質問され、初めての経験だったのでよく分かりませんでした。ただ「人身」にすると、日を改めて立ち会いのもと現場検証が必要・相手を処罰することが可能、ということで、「物損」として処理してもらうことに決めした。

実は、検査や処置のためストレッチャーに寝かされて動けない時、加害者の方が病院まで来てお見舞いと謝罪を言いたいと申し出てくれたようです。看護師さんにそう伝えられましたが、本人はそれどころじゃなかったため、連絡先だけメモをしてもらい帰ってもらいました。あちらの不注意からきたとんだ災難ですが、悪気があった訳ではないだろうし、警察の方にも「加害者に対して懲罰意志はありません」と伝えました。

僕が加入している任意バイク保険の担当に、加害者に連絡をとってもらい、相手の様子も少しずつ分かっていました。まず、任意の自動車保険に無加入で僕に対するプロのサポートは一切なし、持病持ちの中年男性、定職にも就いていないようで、思わず「あぁ…」と頭を抱えたくなるほどの方です。

悪気はなかった模様…とは言え、相手の不注意で僕のバイクはめちゃくちゃだし、下手したら死んでいたかもしれなかったし、もう散々です。

この時は怒りよりも、テンパっていたことによる精神的な疲労で、ただただ悲しい感情でいっぱいでした。

また、今となっては病院の方に頼めば良かったと思いますが、夕食後に痛い足を引きずりながら近くのスーパーまで行き、スマホの充電ケーブルと充電器を買ってきました。遠い旅先で僕一人。各所への連絡が取れなくなるととても困ります…。

忙しくされている看護師さんにも、ご迷惑を承知で僕が置かれている状況の相談に乗っていただき、色々とサポートをしていただきました。種子島の人は本当に良い人ばかりです。

命や後遺症に問題ないと分かりましたが、救急車で運ばれてきて高エネルギー外傷とされた以上、1泊は入院しなければならないとの診断でした。

17日朝

朝7時、起床です。入院生活は去年嫌というほど経験したのに、何やっているんだろうと考えます。考えがぐるぐると巡ってあまり寝付けませんでした。

運ばれてきた病院食をたいらげ、午後7時半に本日分の乗船予約の電話をします。昨日はそれどころじゃなくて、予約をとったにも関わらず結局出航時刻までに連絡を入れることができませんでした。フェリー会社にも迷惑をかけてしまいました。すみません。

看護師さんの話曰く、「今日退院は確実。ただし退院時は先生の許可が必要。先生は朝10時頃出社」とのことで、まずは本日分のフェリーを予約しました。VRX の状態は、昨晩訪れた警察官の方にも聞いてみましたが、「フロントフォークが曲がってて走れるかどうか分からない状況」とのことで…。兎にも角にも、このまま島に置いていく訳にもいかないので、押してでもフェリーに積み込み本土に持って帰る必要があります。

僕が加入している任意保険にもロードサービスがついてるんですが、種子島は「未対応地域」。鹿児島市内まで運んで、指定のレッカー業者に頼んだら 100 km まで無料でレッカー移動をしてくれるらしいです。鹿児島から 100km じゃ家に着かない。有料で家まで運ぶとざっと30万円ほどかかる模様。加害者は任意保険に入ってないし、誰が出すんだ?…でも、種子島に置きっぱなしだとレッカーにすら乗れない。

こういうリスクがあることを分かっていて、バイクで旅をしているわけです。自分にも責任があります。やはり何が何でも VRX を本土まで連れていってやる必要がある訳です…。

午前10時前

午後10時前、待ちに待った先生の診察を終え、退院することができました。まだ左半身の擦り傷や打撲、右足の神経痛が痛いけど…まぁ元気元気!!!

病院からタクシーに飛び乗り、昨日昼飯を買いに行くところだったコンビニまで行きました。タクシーの運転手さんも身の上話を優しく聞いていただいて感謝です。

午前10時半

コンビニでゼリーの詰め合わせセットを購入し、200m先の事故現場まで歩いていきます。事故直後に僕自身をかくまってくれた上に、今も VRX を敷地内に停めてもらっている自動車販売店さんに挨拶に伺いました。

お店の人たちは、暖かく僕を迎え入れてくれ、僕が佐世保からやってきたこと、台風でなかなか動けなかったこと、ようやく帰るフェリーに乗る直前だったことなど、色々とお話をしました。

警察や救急車の通報や、事故車の引き受けなど、スゴく親切にしていただいたのに、そのご挨拶に伺うと、お茶を出していただき…なんとお土産に種子島特産の「安納芋」をたくさんいただきました!

種子島の人、めちゃくちゃ良い人だらけやぁ…!

人生初めての事故で、遠い土地でテンパッて滅入っていたところだったので、どれだけ救われたことか。

肝心の VRX は、フロントフォークが確かに曲がっているものの、パンクもなく、エンジンもかかり、なんとか自走できそうな感じ…。

感謝を重ね重ね伝え、「これにめげずに、また来てね」という言葉に「今度は奥さんを連れてきます」と返し、販売店を後にしました。

続きます。

投稿者:

dyama

佐世保のシステムエンジニアです。詳しいプロフィールやこのブログについてはこちらをご覧ください。

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