佐世保市では、数年前から正午を知らせるサイレンに佐世保市歌のメロディが使われています。 人によっては学校で歌った経験があるということですが、自分が通っていた学校では習いませんでした。 (私が小学生だったころ、市内の小学校に配布されていた冊子「わたしたちの佐世保市」にも掲載されていたような気がしますが)
現在の佐世保市歌
平和的で希望に満ち溢れたメロディと歌詞でとても素敵な市歌ですが、昭和27年に制定されたようで、それ以前は市歌がなかったのか気になったので調べてみました。
旧佐世保市歌
今回調べてみるまで自分も知らなかったのですが、昭和9年頃に制定された「旧佐世保市歌」が存在していたようです。 作詞は多くの校歌や市歌を手掛けた日本文学者の八波則吉氏、作曲は明治大正期に活躍した作曲家の島崎赤太郎氏らしいです。
私が調べた範囲では、それ以上の情報を得ることができなかったため、佐世保市役所に問い合わせてみました。すると、企画部政策経営課の方に快く対応していただき、「市役所ではメロディや楽譜は残っていないが、歌詞は確認できました」と歌詞を送っていただけました。
旧佐世保市歌の歌詞は次のとおり1です。
一、烏帽子岳は高く聳えて
九十九島の眺尽きせず
海幸山幸心のままに
我が市佐世保は天與の港二、威風堂々舳艫銜みて
海を圧する艨艟これぞ
皇國の鎭我等の誇り
軍港佐世保の輝く誉三、市民挙りて鎭守と仰ぐ
八幡宮の御稜威畏み
一意愛市の思念に燃ゆる
若き佐世保に栄光あれや
現行の市歌で歌われている「烏帽子岳」や「九十九島」といった佐世保を代表する名所が歌われていてとても親近感がありますね! 市政50周年の折に現在の市歌に変更されたようですが、終戦を迎え歌詞が歌いづらくなった背景もあるのかもしれません。
メロディや楽譜を引き続き探していこうと思います。(時間を探して市立図書館の郷土資料室に行ってみようかな) もし、情報をお持ちの方はコメントをいただけると幸いです。
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作詞の八波則吉氏は昭和28年に亡くなっており著作権的にも問題がないはずですので、全文掲載いたしました。 ↩
SP盤レコードが発売されています。
タイヘイレコード赤盤でNo.3654-A です。
A面:佐世保市歌 八波則吉作歌・島崎赤太郎作曲
歌手:横田良一 伴奏:タイヘイ管弦楽団
B面:佐世保海軍工廠々歌
詳細不明 推測ですが、佐々木信綱作詞・田邊尚雄作曲
歌手も横田良一と推測します。
タイヘイレコード番号のみを考慮すると、昭和7年11月頃の発売と推測されます。
20年ぐらい前に、ヤフーオークションに出品されました。
出品時のA面のぼやけた画像を所有しています。
入札に失敗し、落札できませんでした。長年にわたり探していますが、みつかりません。
歌手の横田良一氏は24歳で早逝しましたが、昭和6年デビューで、
藤山一郎のライバルと言われました。
羊角湾さま
貴重な情報、ありがとうございます。
レコード化されて販売もされていたものなんですね。
タイヘイレコードについて調べてみると、現在は一般社団法人日本マーキュリーになっているようです。販売元に問い合わせるのが一番と思いました。
ただ、現在のマーキュリーは30年ほどのブランクを経て有志の方々が設立されているようで、それ以前にも社名が変わっていたりと、色々な経緯があるため、情報としても残っていないのかもしれません。私もネットオークションを見てみようと思います。
B面についても、とても興味があります。タイトルのみで調べてみたところ、国立国会図書館に音源として残っているようです。
歴史的音源 – 佐世保海軍工廠々歌
http://rekion.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8276316
残念ながらインターネットで聴くことはできませんでした。歴史的音源のアーカイブ事業に協力している全国の図書館で聴くことができるようです。佐世保市内には該当図書館がないため、長崎や佐賀に行った際に聴いてみたいと思います。
歌手の横田良一はとても凄い方だったのですね!
藤山一郎のライバルと言われていたとは…。尚更、聴いてみたくなりました。
また何か情報があれば追記したいと思います。
長年の夢、タイヘイレコードの使い古されたSP盤を手に入れました。A面『佐世保市歌』B面『佐世保海軍工廠々歌』です。A面は2年前にお知らせしたとおりです。B面もほぼ推測したとおりでしたが、少し違っていました。作詞者が不明で、『佐世保海軍工廠選歌』『佐々木信綱選歌』となっています。合唱曲で、主唱横田良一、合唱関西大学大コーラス団です。レコードの状態は良好とは言えませんが、2曲とも素晴らしい曲です。『佐世保市歌』の歌詞、楽譜と『佐世保海軍工廠々歌』の歌詞(6番までありますが3番まで)は、平成14年発行(市制百周年記念事業)の『佐世保事典』に収録されています。『佐世保海軍工廠々歌』の歌詞6番までは、長崎県立長崎図書館に調べていただき、『序説佐世保軍港史』に掲載されています。レコードで歌われているのは、1番、2番、4番、5番です。