鎮守府史跡探訪〜佐世保軍港クルーズ〜

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色々と私を遊びに連れ出してくれる920さんのお兄さんで、佐世保観光コンベンション協会の吉川拓朗さんがガイドを務める、佐世保の軍港クルーズに参加しました。

佐世保の「軍港クルーズ」、今季の運航始まる : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

今シーズンは4月4日から始まったそうで、今日は初めての週末。晴天とまではいかないものの、天気にも恵まれていて絶好のクルーズ日和でした。

まず最初に向かったのは、JR佐世保駅。駅構内にある「佐世保観光情報センター」の受付にて、軍港クルーズのチケットは販売されています。改札が1つしかない小さな駅ですので、すぐに見つけることができると思います。情報センターの入口の向かって右手には佐世保駅名物(?)のボンビーの石像があります。そういえば、結構長い間居座ってますね(笑)

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情報センターのカウンターで言えば乗船チケットを購入することができます。1時間のクルーズで1人2000円でした。

桟橋は情報センターがあるJR佐世保駅から目と鼻の先です。チケットにも地図が印刷されていますが、JR佐世保駅のみなと口を出て正面にある、佐世保五番街を貫けたところにあります。佐世保駅を出るとすぐに綺麗な公園とその後に広がる海を見ることができます。

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歩いて数分の距離です。JR佐世保駅は特急みどり号で新鳥栖駅や博多駅まで直通で行けますので、アクセスのしやすさもすばらしいですね!

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遊覧船は、まるで阪神タイガースを思わせるカラーリングです(笑)。普段、一般の船が航行できない海域にも入るそうなのでとにかく目立つ色なのかもしれません。佐世保湾の広さは、横須賀港の2倍、長崎港の10倍もの海域があり、その8割が軍用に指定されているらしいです。この鯨瀬埠頭周辺は、その中でも限られた貨客船埠頭で西海市の大島や五島行きのフェリーもここに着きます。

遊覧船は2つのデッキがあり、どうせなので見晴しが良さそうな上のデッキに上がりました。全体の定員は60名ほどらしいです。

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ガイドを勤める拓朗さん。制服姿がカッコいい!

オンラインゲーム「艦隊これくしょん」のブームで、いわゆるガチな方々が多いのかなと思ったらそんな事もありませんでした。意外で少し驚いたのが、年配の方、特に一人で乗られている年配のご婦人の方などがいたこと。

上のデッキの後部左舷側の席に座っていると軍港にはおよそ似合わない品の良さそうな格好の年配のご婦人が上がってこられたので、席を譲ろうと立ったところ、「いいのよ、私は陸側を見たいから」と笑顔で返され、デッキにあった台を右舷側に置いて座られていました。自分らは初めての乗船でしたが、右舷が陸側ということをご存知のところ、何度も乗られている方のようでした。

※ 実際に佐世保港内を半時計廻りで航行したので、右舷が陸側(艦艇が停泊している方向)でした。なお、クルーズが終わった後から拓朗さんに伺った話では、航路は変更になることがあるようです。 ※ あ、別の年配の男性に席は譲りましたよ!どうせカメラを構えてずっと立ってるつもりだったので…(笑)

さあ、いよいよクルーズの開始です!

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乗り場の隣に停泊していた佐世保市の防災船「つくも」。船上火災などに対応するための船らしいです。写真では分かりづらいですが、赤い放水器が船上に2つ見えます。こういう細かなところにも拓朗さんのアナウンスがあり、とても分かりやすかったです。

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緑色の屋根の建物が米軍第7艦隊の司令部施設です。左手には桜、右手には米軍艦、奥には旧佐世保海軍工廠時代から使われていて現役で稼働している佐世保重工業(SSK)の250トンカンチレバークレーン…というよく考えたらスゴい組み合わせ。国連旗も掲げられているのですが、NATO軍の艦艇も入ってくるかららしいです。

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米海軍ワスプ級強襲揚陸艦、ボノム・リシャール。全長257メートル、オスプレイなどの垂直離着陸機を運用しているヘリ空母らしいです。米軍艦艇は全然知らないので現物を眺めながら解説を聞くとよく分かります。この艦の乗員は、東日本大震災の時、米軍による「トモダチ作戦」で以前佐世保を母港にしていた強襲揚陸艦エセックスに乗って、多くの被災者を救援をした方々とのことです。

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米海軍サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦、グリーン・ベイ。ステレス型の面白い形をしてます。現在は女性が艦長をしているとのことです。

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米軍の艦艇2隻が停泊しているすぐ隣には、我が海上自衛隊の立神岸壁に停泊中のイージス艦「ちょうかい」がいました。なぜすぐ近くに停泊しているかというと…

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海上自衛隊立神岸壁は、上図のように米軍佐世保基地の先端に位置しています。港湾海域は広いわりに陸地が狭いため、米軍、自衛隊、SSK、一般の港湾施設が密集しまくっています。矢印の赤線が遊覧船の航路です。この航空写真でも平瀬係船池に停泊する米軍艦艇と海自艦がすぐ近くにあるのが分かります。せまいぞ!

なお、戦前までは緑線の米軍基地と青線のSSKはすべて日本海軍の施設でした。

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左がちょうかい、右がグリーン・ベイ。ほんとに近いです。

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はりきって一眼レフと望遠レンズを持っていきましたが、クルーズの前半はハンディカムで動画撮影をしていました。このあたりの写真はすべてハンディカム撮影です。画質がイマイチなのはご愛嬌。ただ、手ぶれ補正はなかなか優秀でした。

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ちょうかいの船尾、トランサム板にあるラッパ状のものは曳航型のソナーを出す部分らしいです。

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ちょうかいの隣に停泊中の海上自衛隊とわだ型補給艦「はまな」。インド洋にて多国籍軍に洋上補給した実績がある艦です。

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2014年に就航したばかりのあきづき型護衛艦「すずつき」。イージス艦のサポートが任務の一つらしいです。倉島岸壁は一般公開があるため艦内にまで入ることができますが、立神岸壁は米軍基地内を通らなければならいため、一般人は近づいて見る機会がほとんどありません。

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SSKの250トンカンチレバークレーン。大正2年に建てられ現在でも稼働中です。立神係船池の中央にあり、右側は米軍施設、左側はSSKになります。ちなみにこのクレーンは(どのタイミングかは分かりませんが)電飾が付けられて光っている時があります。

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戦艦武蔵の艤装工事を行なった第4ドック(旧第七船渠)。ちょうど大型のバルクキャリアーがドック内に入っていました。

この後、米軍赤崎岸壁へと遊覧船は進んで行きましたが…

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米軍の原子力潜水艦が停泊していたため、カメラ撮影をしないでくださいとアナウンスが流れました。慌てて録画を止めます。潜水艦の近くには、機関砲を備えた米軍の小型艇がこちらを監視してウロウロしています。乗船前には「撮影NGになることもある」という情報を知らされてはいなかったので、少し驚きました。停泊している艦艇にもよると思いますが、こういうこともあるんだなと。

なお、当たり前といえば当たり前ですが、監視している小型艇の米兵の方も遊覧船から手を振ると振り返してくれるくらいフレンドリーだったので危険なことは一切ありません。任務ご苦労様なのです。

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原潜を通り越した後の米軍赤崎貯油所のタンク。原潜は燃料補給の必要がほぼない為、給油ではなく乗員の休養や食料の積み込みのために停泊していたようです。

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佐世保湾内に面した針尾島・浦頭埠頭。終戦直後の復員で100万人以上の兵士、一般人がここから日本各地へ帰っていった場所です。左手の記念公園の桜が咲いているのが分かります。

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崎辺地区にある海上自衛隊佐世保教育隊施設。ここで若い自衛官が訓練を行っているらしいです。崎辺も陸からはあまり見る機会がないので、軍港クルーズならではの風景です。

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訓練用のカッターボートが吊ってあるのが見えました。

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米軍の前畑弾薬庫。建物の周りに立っているのはすべて避雷針らしいです。建物を囲むように盛ってある土塁は万が一の爆発時に爆発エネルギーを上に向けるためのものとか。写真のような建物が海沿いにいくつもあり、4万トンもの弾薬が常備されているらしいです。噂ではここに核兵器があるとかないとか…。瓦屋根なのは、旧日本海軍時代から使ってた建物っていうことでしょうか。

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前畑弾薬庫のすぐ隣にある前畑造船所。はしけ状の浮いている乾ドックです。こっち側から見るのは初めて。

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さらにその隣にある、旧日本海軍の水雷庫。100メートル以上ある横長の石造りの建物です。屋根にはソーラーパネルが見えます。ここに日本海軍が誇る酸素魚雷を格納していたらしいです。

佐世保のシステムエンジニアです。詳しいプロフィールやこのブログについてはこちらをご覧ください。

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