本格的に自宅サーバをなんとかしようと思う。

最終更新日

Comments: 0

玄人志向の NAS キット KURO-BOX HG (通称:玄箱) に Debian GNU/Linux をインストールして、ホームサーバとして運用している。

一昨年、中古で手に入れた時点で既に、なかなかシブいスペックだった。

CPU は PowerPC の 266MHz、256MB RAM に、インタフェイスはかろうじて許容範囲だった Gigabit Ethernet + USB2.0x2。

ビデオ出力もないし、標準構成でのハードディスクドライブは UltraATA (IDE) と、これからの時代、故障してしまうと復旧できるか心配になる。

現在、玄箱は以下のような用途に利用している。

  • USB2.0 の 2 ポートに SATA/USB 変換コネクタを付けて 3.5 インチ 2TB HDD を計 2 台接続。
  • NFS サーバを立て、外付け HDD の中身を export。家中の Linux マシンからマウント可能。
  • DLNA サーバを立て、PS3 からもアクセス可能。
  • SSH サーバを立て、職場やスマートフォンから自宅にログイン。
  • SSH 経由で Wake On Lan パケットを飛ばして、他のマシンを起動。VNCでログインしたり。
  • さらに SSH 経由で、枕元の Ubuntu ネットブックにログインし、昨晩書いたテストスクリプトを職場で救出。
  • HTTP Proxy サーバを立て、SSH トンネル経由でインターネットにアクセス。
  • Web サーバを立て、ウェブツールの開発。
  • FTP サーバを立て、職場のデータのやり取りやバックアップに活用。
  • Tiarra+MobIRC で、常時 IRC チャンネルにログイン、ウェブブラウザでもチャット可能に。
  • cron で、DDNS サービスの更新、ウェブの巡回、その他もろもろ….

列挙してみると、意外とハードワーカーだった。これでは、全体のパフォーマンスが落ちても致し方あるまい。

パフォーマンスが悪い事以外は、ハードディスクも玄箱購入時に新品導入したものだし、ハードウェア的なガタは来ていない、安定した環境とも言える。しかし、古い Debian (といっても、一世代前の etch ) を利用し続け、段々とリポジトリも少なくなり、ちょっとゆとりのないパフォーマンスに苛々するくらいなら、新しいサーバでも立てたいなあ、と思い出していた。

新サーバの夢を膨らませていると、以下のような期待が持てる。

  • サーバの OS 領域を SSD にして、レスポンスの向上を計る。特に細かなファイルが多い Linux だと、パワーを発揮しそう。
  • 常時起動させるワケだから、いっその事、大容量メモリを実装→ramfs化してレスポンス向上させてみたい。
  • 外付けハードディスクのインタフェイスを USB3.0 にしたい。用途が限られる SATA 外部接続は、ちょっと二の足を踏んでしまう。
  • 複数 NIC でファイヤウォール化やルータ化、無線 LAN アクセスポイント化などをしてみたい。

高性能を求めれば求めるほどお値段も高くなるわけだが、ゲーマーズ PC 用途のように高価なグラボも必要な訳もなく、一項目あたり一万円のオプション出費でも釣りが来そうな、ささやかな期待である。

とは言うものの、高性能化すればするほど、電力を食う。サーバ用途で購入を考える際、これは結構大きい問題だ。

BTO ショップを見てみると、CPU 性能だったり、グラフィック性能だったり、安さだったり、そういうところばかり注目されているようだが(まあ客数が違うもんね)、常時ネット接続・マシン常時起動が珍しくなくなった昨今、もう少し省消費電力のマシン構成でも選択肢があればいいな、と思う。

平均 100W で動作するサーバを 1 年間運用した場合、その電気代は 2 万円弱となってしまう。これでは、1 年で廉価な BTO パソコンが買えてしまう。

省電力という視点で見てみると、玄箱のような NAS キット、SheevaPlug、玄柴、GuruPlug、Pogoplug などといったプラグ型 Linux サーバ、BeagleBoard などの基盤 Linux が強い。玄柴は、消費電力が 5W らしく、1 ヶ月あたり 79 円、1 年間運用しても 1000 円に満たない。これは魅力的だなあ。

デメリットと言えば、ハードウェアや CPU が特徴的である為、将来的にどこまで運用が出来るかという問題。換装してスペックアップ ! と、単純な話ではないと思われる点と、趣味でいじくり回す対象としては大いに興味のあるところだが、普段、難なく安定した運用を行うものとしては、いかがなものかという点だった。プラグ型 Linux は、むしろ職場など、他人の目に付くところに置いて自慢したくなる気がする。

ショップの BTO パソコンは電力食い、コンパクトな Linux はメンテやスペックが不安、となると、やっぱり最終的にはアレである。

EPSON ダイレクトで売っている”ネットトップ”マシン、Endeavor NP12。

これは、Atom 1.6Gz / 1 GB RAM にオンボードグラフィック、イーサネット、USBポートなど、普通のパソコンとして遜色のないスペックを備えており、Web クーポンも相俟って、今なら 25,000 円だ。スペックや拡張性はプラグ型 Linux より上、値段はショップの BTO よりお手軽な上に、消費電力が 15W ときた。

Microsoft Windows7 さえバンドルされてなければ、(価格面でも)言う事なしじゃないか !

と、言うわけで今の候補は次のとおりになっている。

ブツ良い点悪い点
プラグ型 Linux職場のデスクのコンセントプラグに差しておいて、遊んでみたい。ひとしきり遊んだ後、ちゃんと安定運用出来るか不安。
BTO パソコン数年使っても快適な構成をお手軽な値段で実現。夢にまで見た 5 Gbps 通信 !電源さえ自分でチョイス出来ればいいと思っている。
Endeavor NP12そこそこな性能、IBMPC互換、安いお値段。Windows 要らねえ…。5 年後も使える構成かはちょっと疑問。

うーん。どうすっか。

※ 2020/07/02 度重なるブログ移転・ブログシステムのアップデートにより崩れた記事を校正。

佐世保のシステムエンジニアです。詳しいプロフィールやこのブログについてはこちらをご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください