スーパーカブのオイル漏れ(2)

カブのオイル漏れの件です。

前記事にコメントを頂いているの気付かず、スーパーカブを購入したバイク店に持っていきました。

この時点ではコメントのご指摘を見ていなかったので、「クランクケースのガスケットが、ボアアップした振動で早く劣化したのかなぁ。ケース取付穴と繋ってるかは分からないけど…」程度の素人考えです。腰下まで分解しちゃって本当に取り返しがつかなくなる前にプロの意見を聞かないと。

店に電話をかけると、若い店員が出て今から持ち込んでOKとのこと。作業がしやすいようセンターケースとレッグシールドを取り外して店を訪れました。

バイク店で怒られた

店に着くと店長が出迎えてくれました。この店はずっと店長と若い店員の2人のようです。

「おー、久し振り。どうした?」

症状を伝え、車体を預けようとするとそのまま作業に立ち会うことになり、店長とお話をしながらの作業となりました。
店長がクランクケースカバーを取り外すと、取り付け用のボルト穴やサイドスタンドの根元にオイルが滲む程度で、前回記事ほどドバドバとオイルは出てきません。

バイク店に持ち込む前にオイル量は確認しておいたので、溢れるほど残量がないなんて事はないはずです。出てくる量に波があるのはひっかかるところ。前回の記事のとおり、長いボルトで止めてみた結果かな。…なるほどわからん。

ドライブスプロケ裏のオイルシールから漏れていない事を確認しつつ

「自分でこのカバーを開けたと?」

と、険しい顔。

扱うものは違えど僕も一応職業エンジニアなので、知識がない素人がいじくりまわした後始末は良い気分ではないんですが、この店から納車された時点で場所によって純正ボルトを使ってなかったり、リアシャフトが逆に入ってたり、結構手が加えた痕跡のある車体です。「そりゃ20年前の中古カブだしクランクケースカバーの一つくらい開けるよ!腰下バラバラにして泣き付いてきた訳じゃないだろうー!」という言葉を飲み込みつつ応対しました。

「下町工場のフレンドリーな職人気質」と言えば普段は良いんですが、困っているところに追いうちをかけるような論調では凹みます…。ガラの悪い客もいるだろうから、あんまり腰が低くてもやっていけないんだろうと理解はしてますけどね。

店「あー、これ穴が空いてる。これの奥。ほら、中が見える。これはもうダメ。修理できんわ。これからどうしたい?」
僕「え…、どう、とは…?」
店「んー、やけんさぁ?」

言葉にこそ出しませんが、面倒臭いオーラがひしひしと伝わってきます。店長、次にできる手立て・効果的な方法が分からないからプロにお願いしている立場なので、困惑するしかありませんぞ。そりゃ査定額5万円もしないであろう他人のカブの腰下バラしなんて、金もらってもやりたくないだろうけどさ…。

バイク店に持っていった際、クランクケースカバーのボルトは下部の2箇所に長いボルトを使っていて、上部の1箇所は(残る1本は短いボルトで噛まないので)取り付けていませんでした。店長はボルトが2本しかない事に加え、その長さの違和感にすぐに気付いて、

店「これ本数足りないけどどがんした?これさ、長いボルトを無理矢理捻じ込んだからクランクケースに穴が空いたんやろ」
店「あとカバーなのにトルクかけすぎ。力かからないし、そんなに締めなくてよかけん」

とダメ出しの連発。

本来はやっぱりプロだな〜と感心するところですが、僕がぶち抜いたテイで話してくるのはいささか遺憾です。

前記事のとおり、3穴中2穴が長いボルトでないと噛まずに固定できないので、僕の作業で問題の穴一箇所だけ内部を貫通させるほど締めることはありません。
1回の作業で1つ目的のことしかした事がないですし、2台以上のバイクを同時にいじることもなく、似たようなボルトがそこらじゅうに落ちてる環境ではないのです。
それにこれに限ったことではなく、複数箇所でボルト固定するパーツはローテーションで締めていかないと上手く取り付けできませんよね。

そもそも、もし僕がぶち抜いたんだったら、その時点から1cm近い金属片がクランクケース内で異音を奏でまくっているはずで、オイル漏れどころの騒ぎじゃないと思うんですが…。

トルクについても、オイルがダダ漏れしていた前記事の時点で、初めて問題の穴に長いボルトを割り当ててみて、脱落しないようにちょっと強めに締めてただけなんだけどなー。

もう店長は説教論調になっているので、ここで反論してもしようがありませんでした。

「ああ…そうですか…(素人でごめんなさい…)(´・ω・`)」

と肩を落としていたら、それを汲み取ってくれたのか、店の奥にいって何かをとってきました。

店にあった短いボルトとシリコンシーライトガンです。
手際よくシリコンを問題のボルト穴に流し込み、持ってきた短いボルトで固定してくれました。

工賃を支払い、別れ際に「じゃあ、一応これで様子見ですね」と声をかけると、歯切れの悪そうな顔をされました。この件については、もう持ってきてくれるなという感じがしました。

さもありなん

心境と一緒に綴ると「店の対応が悪い!」と言ってる感じがしちゃって自分でも嫌ですね。思うところはありつつも「この対応でも仕方ないかー。でも困ったなー。ハズレひいちゃったか」というのが、正直な本音なんです。

このカブは相場よりだいぶ安い車両でした。

2017年11月に中国生産カブ(AA04)から国内生産の熊本カブ(AA09)に切り替わったので、納車した7月当時の新車は中国生産カブ。当時から人気の根強いAA01型のショップ相場は10万円代後半です。

このカブは、車体色が前オーナーの自家塗装の水色、シートやマフラーなど地味に社外品(の格安パーツ)、前述のとおり一部のボルトは純正ではないし、レッグシールドの止め具が届いてなかったり、リアのシャフトが逆に刺さっていたり、走行距離疑惑車だったりと、ショップ売りにしては一筋縄ではいかない車両でした。それを込み込みで、本体9.5万、乗り出し12万で購入したのだから、それほど強く文句を言える訳がありません。

客が店に気遣うのも変な話ですが、バイク業界ではいじるのも乗るのもある程度は自己責任で御互い承知している業界かな、とも思ってます。

今回の店の対応も、「これからどうしたい?」の裏には「どうしても腰下バラして修理しろって言うならやらなくもないが、時間も費用もかかる。そこまでする価値が本当にあるのか?」という意図だったと受け取っています。

しかし、尚更この件でバイク店に泣きつく訳にはいかなくなりました。そうだよね。あとは僕次第だ。

どうするかな?

僕自身が何もいじる気がなく、知識を得ることもまったく興味がなければ、選択肢は「現状ままで処分」だけになると思います。しかし現実は中途半端にいじってしまうヤツなので、うーん…本当に悩んでいます。

走るのが好きでいじるのはそのため。さらに時間も費用も体力も費やすことを考えると、趣味がコレだけではない僕にとって重しになってしまいます。スーフォアも四輪車もあるし、手放す時なのか…。いや、僕はスーパーカブが好きだ。たくさんいらっしゃる、カブをちゃんとメンテできるような人にもなってみたい。

まだすぐには結論は出せないか。んー。

シリコン注入でどこまで凌げるかは分かりませんが、根本的解決には腰下をバラして穴をどうにか埋めてやるか、クランクケースごと交換、ということになりそうです。

結局のところ

症状と対処をまとめると

  • 中古購入して、2年目でオイル漏れが発生してきた。
  • それから2年騙し騙し乗っていたが、だんだんと無視できないレベルで漏れが悪化してきた。
  • 納車から現在に至るまで、クランクケースからの異音は一切なし。
  • 漏れる量に波がある。
  • クランクケースに穴が空いているらしい。(外から視認)
  • クランクケースを開けずに外からシリコン注入(耐熱かどうかは不明)して応急処置した。

という事になりました。

翌日、オイルの漏れ具合を確認してみると…

こんな具合でした。

前回記事の作業後よりマシになったような…? 完全に漏れが収まっててて、まだ周辺に付着していたオイルが落ちてきてるのかも?

「数年おきに耐熱シリコンを流し込むだけで解消するんだったら、まだマシだけどな〜」と思っていると、前回記事にコメントがついていることに気付きました。

うわー、まさにコレだ!!!ありがとうございます!!

丁寧に参考リンクまで貼っていただき、感謝の言葉しかない…ッ!

「クランクケースカバー ボルト穴 オイル漏れ」のようなキーワードで散々検索しましたが、似たような事例の記事に辿りつくことができなかったので、まさに欲しかった情報です。

改めて考えると、

  1. 前オーナーがやらかした。
  2. 前オーナー、破片を取り除いて、何らかの柔らかい材(シリコン?)で補修。
  3. バイク店、車両を仕入れて、整備。走行・オイル漏れなど特に問題なし。価格的にも腰下まで開けているとは考えられない。
  4. バイク店、人の手の入った形跡が各所にあるので現状の格安販売。僕が購入。
  5. 1年ほどで前オーナーの補修がダメになってオイル漏れ開始。
  6. 徐々に漏れ量が多くなって、今に至る。

という流れならつじつまが合います。

こんな事であれば、同型のカブ2号を手放さなければ良かったなあ。

数日間シリコン注入の効果を観察して、また対応を考えたいと思います。

ふぅ…(´・ω・`)

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