種子島宇宙センター
緩やかなカーブを曲がると、急に門と看板があり、種子島宇宙センターの敷地が現れました。
ここから種子島宇宙センターらしい。TNSC って略するんですね。Nは種子の「ね」の部分かな。
道沿いには、「ドローン等監視中」の看板も。飛翔体を打ち上げる施設だから、特に厳しそうです。ドローンは持ってないので関係ないですが。
砂浜の奥に何やら施設が見えていました。ていうか波がめちゃくちゃ高いな!
さっきまで晴れていたのに、急に暗い雲が空を覆ってきました。
構内を進んで行くと、綺麗に整備された道や芝生が続き、一般人は入れそうにないゲートの閉じた施設がいくつかありました。JAXA 職員用の食堂棟もあるみたい。
宇宙科学技術館
一般人に公開されている宇宙科学技術館の駐車場に付く頃には、結構な大粒の雨が降っていました。駐車場にいた人たちも、突然の雨であたふた。雲の流れるスピードも速いし、天気の変わり方が南国チックです。
暑い日にバイクで雨に降られると、水曜どうでしょうの原付ベトナム縦断のスコールを思い出します(笑)。
駐車場のすぐ脇には、JAXAのロゴが象られた植え込みがありました。天気が良い日にドローンを上げて撮影したら良い感じなんだろうなぁ。
バイクカバーは持ってきてませんでしたが、せめて荷物だけはと思い、ツーリングバッグにレインカバーをかけます。ガサゴソ。
カバーをかけ終えた途端、陽が照ってきました。オフゥ…数分でコロコロと天気が変わるようです。
若干濡れたツーリングバッグの上からレインカバーをかけています。このまま晴れるのであればカバーは外して乾燥させたいところですが、これから宇宙科学技術館の見学です。また雨が降ってきてもすぐにカバーをかけ直せません。
また、雨が降るかもしれないのでカバーはそのままにしておきました。
宇宙科学技術館のロビーには、受付のお姉さんが一人だけいて、お客さんもちらほら居る程度。結構空いていました。
受付を済ませて、コインロッカーに貴重品やヘルメットを預けて展示室に入りました。ちなみに、入場料は無料です。さすが国営。
写真撮影もOKとのことでした。入口から入ってすぐのところにある巨大スクリーン。ロケットが映し出されています。そんなに詳しくないんですが、H2Aロケットかな。
これまで開発された日本のロケットの模型です。ロケットやジェット推進は、糸川博士が有名なように戦前から研究されていて、戦争であれだけ負けても、ここまでの宇宙開発技術を培い続けてるのは日本人の誇りですね。
ジェットエンジンの実物大模型もありました。近くで見るとやはりデカい!
極太の管や細かな管がランダムなようでロジカルに通っている姿は、なんだかスチームパンク。
この大きな破片は、打ち上げられたロケットの先端部分(フェアリング)を回収したものです。
フェアリングは、打ち上げ後に日本の近海、小笠原の西側付近に落下し、海流に乗ってぐるっと沖縄付近まで戻ってきます。よく見つかるのは、沖縄付近ですが、なかにはここ種子島まで戻ってきたこともあります。
落下時に海面へのぶつかり方によっては、このフェアリングのように破損して破片の状態になることもあれば、原型をとどめてきれいな形でみつかることもありますが、どのような状態でも、ほぼ100パーセント回収できるそうです。
へええ。「ほぼ100パーセント回収できる」というのは驚きです。落ちた後の海流まで計算してるってことかな。それともGPSか何かで追跡してるのかな。とにかく不思議です。
破損したフェアリングの断面を見ると、細かなハニカム構造が見えていました。
人工衛星の模型がたくさんありましたが、中でも最も大きかったのは天井付近に吊られた国際宇宙ステーションらしき模型です。この近くには、宇宙飛行士になるための訓練の子供向けの展示などもありました。
実際に入ることができる、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の等身大模型もあります。前に撮影していた親子が去るのを待ってからパシャリ。
実際にはもっとごちゃごちゃしているようですが、雰囲気は似てますねー。(写真は Wikipedia よりパブリックドメインのものを拝借しました。)
夏休みの最中ということもあり、親子連れが多かったですが、思ったよりも混雑していませんでした。
展示を見終ってロビーに戻ってくると、外はやはり荒れ模様。台風接近の風に加えて、小雨も降っているようです。しばらく外を眺めていると…
雨雲の間から差した日差しが虹を作っていました。こんな場所で虹に出会えるなんて、ちょっとラッキーです。
売店でお土産を購入して、宇宙科学技術館を後にしました。
ロケット発射場
相変わらずの小雨が降ったり止んだりする中の出発です。レインスーツを服の上から着込みました。
広場に H2A ロケットの実物大模型が置いてありました。やはりこうやって見るとデカい。この巨体のほとんどが燃料なんですよね。宇宙に行くのにはコストがかかるなぁ…。
やって来た道とは違う道を通り、さらに構内を北上していくと、テレビやインターネット中継で見たことがある風景がありました。
風雨の中、しばらく見ているとこちらにも虹がかかりました。発射台から虹が出てるよー!
発射台の近くまで行くと、やはりゲートがあり関係者以外は近づくことができませんでした。看板にある「中型ロケット発射場」はもう使われなくなった施設のよう。向かって右手奥が、今も使われている発射場らしいです。
吹き荒れる風と打ちつける雨に、体温がどんどん下っていき、お盆だというのにめっちゃ寒い…。どんどん惨めな気分になってきたので、そろそろ退散し、本日の宿がある西之表に戻ることにしました。
マングローブの原生林
来た道を戻り南種子町を北上します。行きがけに通ったマングローブの自生保護林。
マングローブって、やはり熱帯気候でないと育たないんでしょうか。天気も場所も悪くて、イマイチな写真だけしか撮れませんでした。こここそドローンを飛ばして空撮したら綺麗だと思います。
千座の岩屋
帰り道、「千座(ちくら)の岩屋」の看板を見つけたので、浜田海水浴場に立ち寄ってみました。
8月の夕方なのに誰もいない…。これだけ波が高く、風も強く、小雨混じりの雨が降っていたら、仕方がないことか。
千座の岩屋の中まで歩いて行こうとしましたが、何かあったら帰れなくなる気がしてここで引き返すことにしました。
寄り道はほどほどにして、宿に向かいます。続く。