炊飯時の米と水の深さの比率

スノーピークのスクー(スプーン兼フォーク) SCT-125 には、炊飯をする時に便利な目盛りがついています。炊飯する容器の底に垂直に立てて、目盛りに合わせて米と水を入れると適量になるというものです。

公式ページにあるスクー SCT-125 の写真を次に示します。

垂直に立てたスクーに目盛りがあるのが見えると思います。左側が米の深さ、右側が水の深さを表しています。炊飯するクッカーの断面積が常に一定であることが条件ですが、これなら炊飯用の目盛りがないクッカーでも使うことができてとても便利です。

米の目盛りには1合、2合…といった単位は表記されていません。クッカーの断面積によって、その深さが表す目盛りが何合かは変わってしまうからです。一方で米の量と水の量の関係は比率で表すことができるので、単位がなくとも比率を表す目盛りさえ刻まれていれば良いわけです。

一般的に、米と水の割合は体積比で1.2倍、重量比で1.4倍と言われています。つまり、米1合(180ml・150g)とした場合、水は約200〜210ml程度となります。

10ml単位の軽量カップか、50g単位で計ることができる秤を持っていれば、それらを使えば一発ですが、ギアを少しでも減らしたい場合「とあるクッカーに入れた任意の量の米の深さから、最適な水の深さを知る」ことができるこのスクーは大活躍します。

スクーの目盛りを図式化してみると、下図のようになりました。

米側の目盛りの深さに対して、水側の目盛りの深さは1.95倍になっています。米側が2cmの時、水側は3.9cmになっています。厳密に言うと、水側の深さは米と水の深さの合計です。

米が2cmの場合、水だけの深さは1.9cmになるわけです。米はみっちり詰まっている訳ではなく、米と米の間に隙間があるので、その分水の深さが少なくなります。

米がみっちり詰まっていて水が入り込む余地がなかった場合は、米2cmの深さに対して水は2.4cmの深さになるはずですので、米2cmあたり水0.5cm分が含まれる計算となります。ここから、この目盛りは米の空隙率を25%として設計されていると考えられます。

ぱっと見の印象で、水が多い気がしたので Gemini に聞いたところ、米の空隙率は40%だと回答しました。ただ、根拠となる人間が書いた資料を見つけることができません。

仮に 40% だとしたら、米2cmあたりに水0.8cm分が含まれることになるので、水だけの深さは1.6cmとなり、米と水の合計の深さは3.6cmとなります。比率でいうと1.8倍です。米が3cmなら5.4cmのところまで水を注げばいいってことです。

この比率さえ覚えておけば、普通の定規でも代用できますね。

「洗った直後のびちゃびちゃになった米に200mlの水を注ぐのが適切なのか、多すぎないか」と思うことがありましたが、それほど厳密にしなくても良さそうです。まあ…そもそも論として、米の種類、水分量、精米方法などによっても適切な水量は変化しますし「これさえ守っていれば完璧」といった値は存在しませんしね。

軽量カップや重さを計ることなく、深さだけでしっかり炊けるかどうか、次の機会に試してみたいと思います。

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