社外品汎用タンデムステップを、スーパーカブ50DX(BA-AA01)に取り付けしました。50ccから85ccにボアアップして、原付二種(黄色ナンバー)登録しているカブです。
元々二人乗りができない50ccカブで二人乗りを出来るようにするには、
- ピリオンシート (タンデマー用のシート)
- タンデムステップ (タンデマー用の足おき)
- グラブバーやシートベルト (タンデマーが手で掴む部分)
が必要です。
ピリオンシートと手で掴む部分(リアキャリアのフロント部)は搭載することができたので、いよいよタンデムステップを取り付けていきたいと思います。
原付はご存知のとおり国交省(運輸局)ではなく、地方自治体管理です。自治体は納税義務(ナンバープレート)を管理しているだけであって、車両構造についての検査や許可についてはノータッチです。(…と言いつつも、あまりにも変な乗り物を走らされても困るため、国による型式認定番号がないものは登録できない場合があります。)
納税区分に係わるボアアップなどの改造は自治体に届出が必要ですが、国の定める原付の構造についての法令(道交法、道路運送車両法など)や条例の範囲内での改造は届出の義務がありません。(ただし、念のためお住まいの自治体に問い合わせた方が良いかと思います。僕が住んでいる佐世保市の場合は、原付二種登録時に「乗車定員数」の記載はありませんでした。)
考察
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AA01 カブにはタンデムステップは標準装備されていません。二人乗りができない原付一種なので当たり前です。
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しかし、確認してみるとタンデムステップ装備の C90 などのスイングアームと同じものが使われているようで、ステップを取り付ける部分に円形の平らな部分があります。
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調べてみると、C90 の中古スイングアームをネットオークションで購入して交換するパターンと、元のスイングアームに穴を開けてタンデムステップを取り付けているパターンが主流のようです。
僕は穴を開ける方法を選択しました。走行中にアームがボキッと折れてしまうのは最悪の惨事ですが、こちらのブログに掲載されている比較写真を見てみても、C50 のものにボルト穴1箇所で固定・溶接のように見えます。
※ スイングアームの加工はクリティカルな事故に直結する可能性があります。完全に自己責任となりますのでご注意ください。
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厚みは25mm弱のようです。
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内側から取付予定部分を見るとこんな感じ。ステップ取付のための構造をしているように見えます。
準備したもの
まずはタンデムステップです。Amazon で売っている廉価な汎用タンデムステップです。
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スチール製で必要最低限の構造をしています。一応、折りたたみ可能なようです。
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大小2本のボルト穴が開いており、大きい方で本体をしっかり固定し、小さい方で回転を防止するようです。大きい穴は10mm強。今回は、スイングアーム側の丸い面が小さくて限定的なのでボルト一本止めになりそうです。無理すれば2つ穴を開けることもできそうだけど、スイングアームを穴だらけにする方が怖いですね…。
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折りたたみ用のヒンジのボルトを止めている割りピンが細すぎて機能していません。
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付属のものはすぐに脱落しそうだったので、買ってきた太め・硬めの割りピンに交換しました。今回はこれ用にホムセンで買ってきましたが、こういう大小の割りピンがいくつか入ったセットを持っていれば安心ですねー。
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手で当てがってみて取り付け時のクリアランスを確認します。前オーナー時代から付けっぱなしのモナカマフラーにはぎりぎり干渉しない模様です。反対側のアームの外側には何もないので大丈夫でしょう。
あとは取付用のボルト、ナット、ワッシャー、穴開け用の鉄工用ドリル刃です。ホームセンターで買ってきました。
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スイングアームに開ける穴を最小にしたいので、タンデマー(うちの場合は主に嫁ちゃん)の体重から、常にかかる&瞬間的にかかる剪断加重を求め、断面積から M6 ボルトで足りそうだと考えました。(鋼材の品質に依るところもあると思うし、この辺りの計算はあんまり自信がありません…)
まあ、カブのピリオンシートは他のバイクに比べると低いですし、ステップに全体重をかけることもないと思います。念を押して運用上でも、タンデマーには「あんまり体重かけないでね」と言う方針です。
加工と取付
いよいよスイングアームに穴を開けます。カブのフレームに不可逆的な加工を加えるのは初めてですのでちょっと緊張。丸い平面部分の中心に当たりをつけ、小さな径のドリルを使って穴を開けていきます。
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スイングアームの外側だけに穴を開けてターンナットを使用しいる人の記事も見かけましたが、外側の鉄板だけに負荷がかかりかえってアーム側面の変形・ひび割れを招きそうです。
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強度的に不安があったので、今回はスイングアームを貫通するようにボルトを差し込むつもりです。これにより、ステップの加重を支える部分を倍増できることを期待しています。また、溶接しないのでおまじない程度かもしれませんが、ボルトそのもので開けた穴の分の強度を確保できればと思います。
外側の穴と内側の穴がずれないように慎重に作業を進めました。
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ガイドとなる貫通穴アイター\(^o^)/
ここまで来たらもう引き返せません!
ドリル刃の径を太くしながら、目標の6.5mm穴にしていきます。
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綺麗に貫通させることができました。両方のアームの加工で作業時間はたったの3分。
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反対側から見ても、(ちょっとズレてる気もするけれど)まあ、及第点かな…?
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ボルトにワッシャーとステップ取付部をかませて、ステップを取り付けました。締め付けトルクがどの程度か良くわからなかったので、走行中にガタつかない程度としました。あんまり強く締めすぎてクラックでも入ったら怖いですもんね。
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マフラーとの干渉もなしです。内側には駆動部分があるので万が一にでも当たらないよう、でっぱりは控え目にしています。25mm強に対して、ボルトは30mmですので、内側に突き出した部分は5mm弱ということになります。
これで一旦作業完了です。
試走
取付加工後に、嫁ちゃんを後ろに乗せて近場を走行してみました。
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ガタつきもなく、曲がることもなく、スイングアームもとりあえず無事なのようです。
唯一気になったのは、ボルトで一点止めしているためステップが回転してしまうということ。それほど強いトルクで締めることが出来ないのでゴムワッシャーを注文してみました。到着したら追加してみたいと思います。