8月16日朝。民宿「清流峡」で迎える5日目の朝です。 外は清々しいほど晴れた夏の空で、とても気持ち良い空気。
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午前7時半にフェリー会社に電話してみると、本日昼に出航するフェリープリンセスわかさの乗船予約が取れました。 フェリーの出航は14時、乗船手続きやバイクの搬入を考えて12時半までに窓口に来てくれとのことでした。 本土行きのフェリーは1便だけで、予約が取れなかったら明日まで待つ必要があったため、とりあえず安心です。
宿舎1階の洗面台で顔を洗っていると、宿のご主人と会ったので朝食後にチェックアウトする旨を伝えました。 昨日のうちに荷造りをしていて正解です。午前中に最後の種子島観光を行い、昼には船旅という予定にしました。
民宿 清流峡
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いつものように食堂に赴くと、朝食を準備していただきました。出してもらうご飯をいただくのもこれで最後。ありがたく頂きます。この民宿の徒歩圏内には本当に何もなくて、あたたかいご飯がいただけるのは嬉しい限りです。
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朝食を食べ終えて、食堂を見渡すと Macintosh Classic が置いてありました。ご主人に話を聞くと、SCSI ディスクか何かの調子が悪いらしく、今は使えないらしいです。
実はこの Mac、前から目についていたんですが、こうやって天気も晴れて予定も立つと心の余裕が出てきたようで、ようやく写真を撮ってお話を聞くことができました。
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食堂のすぐ側、下方に鯉が泳ぐ池がありました。涼しげな水音を立てていて、晴れていたら本当に素敵な環境です。
荷物を VRX に積み込み、4泊5日分の料金を支払ってチェックアウトです。もともと1泊の予定だったので持ち合わせが少なく、クレジットカードが使えて良かったです。それでも、毎日朝食をいただいて1泊たり4,000円ちょっとという格安でしたが…(笑)。
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3泊も延泊してご迷惑をかけたにも関わらず、始終笑顔でフレンドリーに対応していだいた宿のご主人に感謝多謝です。
「次は妻や友達を連れて遊びに来ます」と別れを告げて出発しました。
給油
VRX はそのガタイに対して、燃料タンクのキャパシティが少なくスペック上11リットルしか入りません。 種子島への上陸初日の夜に満タンにしてから、いく分か走ったんですが、燃料計もついておらず、走り慣れた道でもないため燃費も分からないので、ガソリンの残量が気になっていました。
種子島はアップダウンも少なく道は走りやすいし、信号もあんまりないんで燃費は結構良さそうだなーとは思ってましたが、午前中にガス欠になってフェリーに乗り損ねたら大変です。 ということで、西之表市街地にあるガソリンスタンドに向かいました。
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着いたガソリンスタンドは西之表港にほど近い三栄石油商会。本土のガソリンスタンドと違って、島のガソリンスタンドはどこのスタンドも「レギュラー○○○円」のように遠くから見える単価を表示していないようです。本土から持って来てるだろうし、あんまり価格競争はしてなさそうな感じ。
レシートを失くしてしまい、どのくらい給油したかは分からなくなってしまいましたが、とりあえず満タンになったので、安心してツーリングに出掛けることができます。
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今日走ったのは上図のルート。これで種子島の主要な道路はほとんど走ったことにんります。
熊野海水浴場
種子島滞在3度目の熊野海水浴場です。初日と同様、見事に晴天になって美しい南国の海になっていました。
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青い海が戻ってきたのに、まだ人の姿はありませんね。朝の9時台だからかな。本当は全天球カメラを持ってくる予定だったんですが、見つからずに断念しました。このビーチはパノラマで見る方が絶対良いんですけどね!
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やあー。この風景を堪能するのもこれで最後。今度来る時は泳げる格好を準備して来よう。
中種子町
熊野海水浴場を抜け、昨日同様中種子町に差し掛かりました。長崎で島の中央部と言えば険しい山に囲まれた地帯になりますが、ここは種子島。どこまでも続くような平野が広がります。
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さとうきび畑が延々と続いています。ざわわ…。
中種子町で行き残したところはないかな、とナビを見てみると、近くに「アイSHOP 石堂店」があるのに気付きました。せっかくなので寄ってみたいと思います。
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何の変哲もない地元の商店です。実はここ、「君の名は。」で有名な新海誠監督のアニメ作品「秒速5センチメートル『コスモナウト』」に出てきた場所です。登場キャラクターがカブに乗ってこの店を訪れるシーンがあります。
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お店を撮影しようとしていると、他にも写真を撮っている方がいました。やっぱり『聖地』として有名なんだなぁ。本当は店内に入ってコーヒー牛乳でも買おうかと思いましたが、お店や近隣の方にあんまり迷惑がかからないよう、1分ほどで後にしました。
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南に向かう道はどこまでも真っ直ぐ伸びていて、海も内陸部も気持ちが良い風景らけの種子島です。平らで信号機も少なく、交通量も少なく、飛ばす車も全然いないので、原付二種くらいがちょうど良さそうなロケーション。滞在中、島内を走っていても大きなバイクはほとんど見かけませんでした。高速道路もないし、島内をゆっくり1周しても2時間程度なので、50ccでも十分楽しめそうです。
南種子町
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南種子町まで来ると、宇宙関係のモニュメントをより多く目にするようになりました。ちょっと立ち寄った公園にも H2A ロケットの模型が展示されていました。模型といっても高さ5mくらいありそうです。
さらに進むと、島の南端にあある七色展望所に到着しました。ここからは前之浜海岸を一望することができるようです。
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駐車スペースはあるものの、全体的に傾斜していてバイクが停めづらい…。バイク用のサイドスタンドは、あんなに小さくて細いのに数百キロもの重量を一手に支えてくれて本当に凄いと思います…。ポキッと折れてしまわないかいつも心配。
VRX の車体が安定していることを入念にチェックし、いそいそと展望所の中を進んでいきました。
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小さな展望所からは想像がつかないくらいの絶景が広がっていました。田んぼと防風林の緑、白い浜に青い海。大パノラマでずっと眺めていたくなる風景です。
全天球カメラ RICOH THETA S を持って来なかったことが悔やまれる(笑)。
運転中、気持ちよくかいた汗を乾かしながら、風に吹かれて景色を見入っていました。
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時刻は午前11時すぎ。西之表はここから1時間ほどです。12時半には乗船手続きができるので、ここが種子島観光の最後の名所になりそうです。ラストに相応しい、とても良い観光スポットでした。
VRX にまたがり、ハンドルを北へと向けました。
西之表港へ
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種子島観光最後の海岸線ツーリングを楽しみながら、ゆっくりと北に向かいました。長崎や佐賀県北西部のようなリアス式海岸ではなく、道幅も広くゆるいカーブが続いているため、とても走りやすいです。特に海岸線は信号機がまったく無いといっても過言ではありません。
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磯や石が多い浜でも、海はとても綺麗でした。天気がよく陽も強いけど、風があるため不思議と暑苦しくありません。海風が吹いているので湿気が溜まらない土地柄なのかな。こういう場所の近くに住んでいたら、毎日のように釣りをしていたかも。
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南種子町を抜ける交差点にも、ロケットのモニュメントが建てられていました。
西之表市街
正午12時頃、西之表市内に戻ってきました。前述のとおり、12時半から乗船手続き&バイクの積み込みがあるので、30分弱時間があります。
ちょうどお腹も空いてきたので、港近くにあるコンビニ「ファミリーマート 西之表鴨女店」で船内で食べる昼食や飲み物を調達しようと考えました。滞在中、何度か足を運んだ、焼き立てパンを売っているお店です。
正午すぎ、国道58号線をコンビニまであと200メートルのところまで進んでいました。
時速40kmで直進していると、左の路地から軽自動車が飛び出してきました。すぐにブレーキをかけて減速させようとします。しかし、咄嗟のことでタイヤがロックしてしまったようでスビードが落ちません。ハンドルもきれない。
軽自動車の運転席を見ると、こちらを見ていません…。
だ、だめだッ。衝突する…!!
続きます。