烏帽子岳山頂の「風と星の広場」に行くと、テントを張ったキャンパーがいることがあります。結論から言うと、烏帽子岳や弓張岳、九十九島の各島は西海国立公園内でありテント泊は難しいようです。
自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号) 第二章「国立公園及び国定公園」 第四節「保護及び利用」 第二十一条 「(特別保護地区)」 では、次の項目が禁止されています。(キャンプに関係ありそうな項目を抜粋・要約)
- 工作物を新築し、改築し、または増築すること。
- 焚き火。
- 木竹の伐採・損傷。木竹以外の植物の採取・損傷。落葉・落枝の採取。
- 土石を採取すること。土石を集積すること。
- 河川、湖沼等の水量を増減させること。水域に汚水を捨てること。
こうやってみると、キャンプ(野営や宿泊)そのものを禁止する項目ありません。
焚き火は禁止されているものの、調理器具のガスバーナーやアルコールストーブ、固形燃料などの使用まで禁止できないように見えます。ただし、場所によってはただの「焚き火禁止」ではなく「火気厳禁」「バーベキュー禁止」と管理者が掲示している場合がありますので、そちら優先で従うべきです。普通に考えると「火気厳禁」の場合はいかなる形態であっても火を出しちゃダメ。「バーベキュー禁止」の場合は、ガスバーナーでお湯を沸かしてカップ麺を食べるくらいは許してもらえそうです。まあ、どちらにしても管理者に問い合わせて許可を貰うのが一番良いと思います。
次に、テントやタープが「工作物」に該当するかどうかがよく分かりませんでした。そこで以前、環境省の九州地方環境事務所国立公園課に問い合わせてみたところ、次の回答をいただきました。
西海国立公園の烏帽子岳は保護規制区域が特別地域に属します。自然公園法第20条の3項より、特別地域においては工作物の新築に許可が必要です。テントは工作物の中でも仮設工作物としてみなし、同様に許可が必要なものとして捉えています。
テント設営には許可が必要(つまりダメ)ということらしいです。自然公園法では国立公園内であっても「環境大臣が指定する区域」ではない道路や広場への車の乗り入れは禁止されていないようですので、テントやタープを使わない車中泊はOKのようです。
車のサイドオーニングはいいのかな?とか、ツェルトをバイクから垂らしておくのはいいのかな?とか、いろいろと具体的な基準を知りたくなってきますが、実際のところは厳密には決めておらずケースバイケースなんでしょうね。
いずれにせよ、環境を守るために指定されている区域・定められている法律ですので、その主旨に従うのであれば、テント設営やそれに準ずる行為は辞めた方が賢明です。
また、環境省の回答には下記の一文も添えられていました。
国立公園内の野営場であれば上記許可が不要で、利用者の皆様にキャンプを楽しんでいただく場所となっておりますので、テント泊をされる場合は指定された地域にてご利用いただくようお願いいたします。
「白浜キャンプ場」は西海国立公園内にありますが、指定された野営場のため、安心してキャンプをすることができます。