昨晩、兼ねてから放置気味であった、去年組んだ Core i7 マシンに、Debian lenny をインストールした。新しいシステムをセットアップする度に、パッケージマネージャの恩恵を受ける。*1
OpenCASCADE のインストール
仕事で、OpenCASCADE(以下、OCと略する) というオープンソースの三次元ライブラリを使った開発を行なっているので、この Debian にも導入する事にした。
現時点での最新バージョンは、6.3.1。公式サイトで配布されているソースパッケージのバージョンは、6.3.0。
aptのnon-freeまたはcontribなリポジトリに登録されているバイナリパッケージは、バージョン6.2.7だった。
OC のビルドには軽く一晩かかる為、後者のバイナリパッケージを入れてみる事にした。
# OC 関連のパッケージを調べてみる。 dyama@aqua:~$ sudo aptitude search cascade libopencascade-dev - OpenCASCADE CAE platform library development filesp libopencascade6.2 - OpenCASCADE CAE platform shared libraryp opencascade-doc - OpenCASCADE CAE platform library development filesp opencascade-examples - OpenCASCADE CAE platform library input examplesp opencascade-tools - OpenCASCADE CAE platform tools # 関連パッケージは全てインストール。 dyama@aqua:~$ sudo aptitude install libopencascade-dev libopencascade6.2 \ opencascade-doc opencascade-example opencascade-tools
これで、依存関係の解決、インターネット上の適切なサーバからパッケージをダウンロード、展開、配置まで全てやってくれる。
( ちなみに OpenCASCADE は Tcl/Tk 環境を GUI フロントエンドとして多用している為、それらのパッケージも入る。)
Draw Test Harness を使ってみる
Draw Test Harness とは、OC の対話的なデバッグ環境だ。C++ などの言語を使ったバイナリソフトウェアを書かなくとも、OC の機能を簡単に扱う事が出来る。以下、DTHと略する。
DTH を 利用するには、X を起動した状態で以下のコマンドを打つ。
dyama@aqua:~$ /usr/bin/ DRAWEXEDraw[1]>
DRAWEXE を実行すると、プロンプトが DTH のものに変わる。OC のドキュメントによると、Tcl シェルのラッパー(or単に機能拡張)として動作しているみたいだ。
Tcl シェルなので、標準的な Tcl コマンドが実行可能だ。
このシェル上で OC の機能を利用するには、以下のコマンドを打つ。
Draw[1]> pload ALL Cannot load Debug Browser library. DFBrowser command is not attached1 Draw[2]>
エラーが出るが、DTH の GUI メニューに項目が追加されているならば、他のプラグインは正常にロードされている。
次に、AXON ウィンドウを開き、box を作成する。
Draw[2]> axo Draw[3]> box b 10 10 10 Draw[4]> fit Draw[5]>
ワイヤフレームの box が AXON ウィンドウに大きく表示されれば、インストールは成功しているハズだ。
また、DTH の GUI メニューにも、簡単なコマンドが登録されているので、同様に box や cylinder などの形状を作成してみる事が出来る。
OC の入門でもある DTH に関しては、邦訳ドキュメントがほとんど無いので、自分の覚え書き程度のものでも、これから公開してみようかと思ってたりする。
*1:”普段使う環境”に辿り付くまで、Windowsの場合は数週間は覚悟しておかねばならないが、Linuxならば数時間。InternetExplorerを立ち上げlhaplusの公式サイトを検索している間に、aptitudeで必要なパッケージは入ってしまう。MS-Officeのプロダクトキーを探している間に、.*やrc、confファイルを~や/etcに持ってきてmy環境の構築完了。
※ 2020/07/02 度重なるブログ移転・ブログシステムのアップデートにより崩れた記事を校正。