PFU Happy Hacking Keyboard Professional2 墨 英語配列モデル レビュー

投稿者: | 2012年12月7日


PFU の「Happy Hacking Keyboard Professional2 墨 英語配列モデル」(以後、HHKBと記載します)を購入し、何週間か使ってみたのでレビューを書いておきます。

値段

価格.comで調べたところ、Amazon.co.jp が最安値だったため、そこで 18,634円で購入しました。HHKBは、Control キーが A キーの左側にある、いわゆる「UNIX配列」のキーボードです。ジャンパスイッチにより切り替えができるキーボードは他社製でもいくつか出されていますが、デフォルトでこの位置に Control キーが配置されている数少ないキーボードです。
一定の需要があるにも関わらず、市場の絶対数が少ないためか、数ある実用的なキーボードの中でも最高クラスのお値段で流通しています。価格.comの販売価格の推移を見てみると、平均価格は21,000円から24,000円の間で変化していることが分かります。

私は元々、同シリーズの廉価版「Happy Hacking Keyboard Lite2」を使っていたので、HHKB の Professional 版はある種の憧れでもあり、ここ2年ほど Amazon のカートに入れたり出したりしていました。そして先日、ようやく決心が着いて購入したところであります。

HHKB は耐久性がとても良いので、他のユーザの方もおっしゃってるように、10年以上使えるようです。10年で2万円弱…1年で2000円と考え、4,000~5,000円の安いキーボードを10年の間に何度も買い替える事を考慮すると、良い選択じゃないかと考えています。

プログラマーな自分は、1日の業務の大半はキーボードを叩いているわけですし、キーボードを叩くのが仕事と言っても過言ではありません。
車が趣味でホイールやシートに10万も20万もかけるという話でもないので、購入の決心が着きました。(車が趣味の方、ごめんなさい)

結論を言うと、キーボードとしては確かに割高ですが、得られる効果は大きなものだと感じています。

UNIX配列

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HHKB の特徴をまず挙げるとすると、やはりUNIX配列だと思います。IBM/PC 配列で言う CapsLock の位置に Control があります。しょっちゅう使うキーが左手の小指に最も近い位置に鎮座してくれていると、非常に効率的に作業ができます。UNIX 系のツールでは、特に Control キーを酷使して使いますが、IBM/PCの配列では C-y (Emacsのヤンクコマンド)など、いくら手が大きくても指がつってしまいそうです。あんまり正確な記憶ではありませんが、確か昔の Macintosh のキーボードもこの位置に Control キーがあったと思います。(Mac では Control よりも Command/Apple キーを多用する為、あまり真価を発揮できていないようですが…)

先述のとおり、これまでは HHKB Lite2 を使っていたのであまり違和感なく移行することができました。Lite2 との違いは、Fn キーが標準では右下の一つだけになっているところでしょうか(DIPスイッチで左のAltまたはSuperキーをFnキーに割り当てる事は可能です)。F1~F12 や PrntScr キーなどの特殊キーは Fn キーを使って押す必要があります。

英語配列

これまでずっと日本語配列に馴染んで来たのですが、今回初めて英語配列にしていました。英語配列を利用する利点は、よく言われるように「プログラミングに向いている」点にあるかと思います。ここから少しだけ掘り下げて、英語配列のメリットとデメリットについて触れてみたいと思います。

英語配列のメリット

キーが少なくて済む 60キーしかありません。キーボードがすっきりして、同じ面積でもキーを広く取れるメリットがあります。特にスペースキーの両サイドにある「変換」「無変換」キーがない為、誤タイプの危険性が低下します。

シンボル(記号)キーの位置が自然 ブラケット([]や{})が隣り合っている点やセミコロン&コロン、クオート&ダブルクオートがそれぞれ同一キーになっているなど、シンボルキーの位置がより自然になっています。また、数字キーを Shift キーを押しつつ入力するシンボルキーも日本語配列のように ASCII コード順にただ並べただけではありません。日本語配列では、数字の 0 キーには Shift キーを押した場合の記号は割り合てられていませんが、英語配列ではそのような無駄もなく、全てのキーに Shift キーを押した場合にシンボル(または大文字)が入力できるよう割り当てられています。さらに、日本語配列のキーボードには「¥」と「\」キーが独立して準備されており、どちらを押下しても結局はバックスラッシュ入力ですが、英語配列では「\」キーのみで、無駄がありません。また、日本語配列では Shift キーを押さなければタイプできない「」も Shift キーを押す事なく入力できます。代わりに「@」を入力する場合に Shift キーが必要になります。もし、シェルスクリプトや Perl を日々使う人であれば @ キーより キーの方が多用しているはずですので、Shift キーをタイプする手間が省けるのかもしれません。

エスケープキーの位置 「半角/全角」キーがないので、エスケープキーが Tab の直上、数字の 1 キーの左側に収まっています。私は Windows でも SKK(SKKFEP) を利用しているので、「半角/全角」キーは不要です。不要なキーがなくなった代わりに、エスケープキーがホームポジションに近づいてくれるおかげで、あまり手を動かす事なく、使用することができるようになります。(そもそも半角/全角キーって、「互換性を無視してまで、必要とされる機能毎にハードウェアを追加する」みたいで、あまりクールな方法じゃないですよね)

ちなみに、同じ東アジア圏でも、中国や韓国のキーボードは英語配列と同じシンボルキーの配置のようです。日本語配列は、コンピュータの創世記、マルチバイト言語圏の雄として発展を遂げた日本独自の進化の結果と言ってもいいでしょうね。

UNIXツールを利用するのに最適 vi であっても nethack であっても、英語配列のキーボードで操作する事をベースとしてキーバインドが設定されています。日本語配列でも慣れてしまえば、あまり不自由がないような気もしますが、UNIX ツールを利用するには、やっぱり英語配列の方がしっくりくるでしょう。

英語配列のデメリット

配列自体にはデメリットはあまりないのですが、いざ利用するとなったら、「それ以外の点」でデメリットが生じます。

世知辛い ラップトップPCを購入しようとしても、おのずと購入できるものが限られてきます。海外製の安いふにゃふにゃキーボードなどは、むしろ英語配列の場合が多いんですが、日本メーカーのちゃんとしたラップトップPCを買おうとしても英語配列を選択できるものが少ないのも現状です。また、英語配列を選択できたとしても、日本語配列モデルより割高になってしまったり、と、ある程度の覚悟が必要だと思います。

これらは HHKB 以外の全ての英語配列キーボードに言えることです。HHKB のような「一度使ったら(色んな意味で)手放せない!」マニアックなキーボードを購入検討されている方であれば、いっその事、英語配列にしてしまうのもいいかと思います。事実、私も日々幸せになれました。

カーソルキーがない

カーソルキーがありません。ないので入力ができないかと言うとそうではなく、Fn キーと組み合わせることによって入力することができます。私は Vim では hjkl 移動、bash や emacs では C-p C-n C-f C-b 移動を普段から利用しているので、これらのツールでは特に困りませんが、多くの Windows アプリケーションではカーソルキー操作を前提としています。また、Windows でなくても GTK や Qt ベースのアプリケーションでも、最近では大抵がカーソルキーを装備した環境を対象にしています。カーソルキーを多用するアプリケーションでは間違いなく効率が低下するので、利用目的をしっかりと考えた上で購入する必要があります。
逆説的な話ですが、これまで使用していた Lite2 にはカーソルキーがあった為、Vim 上でもついついカーソルキーを使ってしまって、hjkl 移動はあまりやっていませんでした。カーソルキーが撤去される事によって、今ではホームポジションから手を動かす事なく自由に移動する事ができます。たった1週間、不便な思いをして慣らしていくと、その後は永遠に良い使い勝手を得られる、と前向きな解釈をしています。
また、タイプするキーが増えるものの、カーソルキーが独立していないことによって、ホームポジションから右手を数センチだけ右にシフトしてあげるだけで、入力ができるというメリットもあったりします。

タイプ感

他のユーザの方もおっしゃっているように、打鍵感はちょっと高めの音で「コトコト」と言った感じです。
Lite2 では、プラスチック音がカチャカチャと非常にうるさかったので、それに比べたら落ちついた印象になっていると思います。PFU の直販でしか購入ができない Type-S や、東プレの REALFORCE といった静音を売りにしたキーボードに比べれば、打鍵音は大きいと思いますが、タイプしていて心地いい感じがします。
キーの押し込み具合については、Lite2 がしっかり押し込まなければならないのに対し、Professional では、ちょっと押しただけでも入力が入ります。Lite2 のつもりで、考えごとをしてキーボードに手を乗せているだけでもどうかすると入力してしまいますが、通常の手の重さのみがかかった場合は、入力されることはありません。

メンテナンス性

公式サイトで専用ケースや、交換用のキートップが販売されているので、長く使用することができると思います。構造的にキーボードの内部にほこりが入り込むのですが、キーも簡単に取り外せます。(専用のキー外しもあります)

その他

Lite2 では USB ケーブルと本体を切り離すことができず、収納や持ち運び時にケーブルが邪魔になっていましたが、Professional2 ではケーブルを完全に取り外すことができます。端子形状も mini USB ですので、純正以外の USB ケーブルを代用することができ、自宅と職場のデスクに USB ケーブルをそれぞれ準備しておくと、本体だけを持ち運んで使うことができます。これは地味に嬉しい点です。

Delete キーと BackSpace キーは、背面にある DIP スイッチで切り替えることができます。標準だと「Delete キーと Fn キーを押しながらの BackSpace キー」という構成ですが、ここだけは抵抗があったので「BackSpace キーと Fn キーを押しながらの Delete キー」に変更しました。

また、買い替えなどで手放す場合、オークションサイトに出すと中古でもそこそこなお値段で流通しているようです。コンピュータ機器であるのに、価値が下がりにくいのは良い傾向ですよね。

総評

良いです。どうせ長く使うものですので、もう少し早く決心して購入しておけば良かったと思っています。
ちょうど冬のボーナスもあるし、自宅用に 2 台目買おうか検討しています。

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